研究課題/領域番号 |
19K04240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
武富 紳也 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (20608096)
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研究分担者 |
宍戸 信之 近畿大学, 理工学部, 講師 (00570235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 格子欠陥 / 熱特性 / 電気特性 / 等価回路網 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,フォノン解析などを用いて熱伝導メカニズムの微視的検討が行われているが,金属などでは自由電子の寄与が支配的なため純粋に理論的な評価は行われていない.Wiedemann-Franz則にも示されるとおり,電気特性と熱特性には自由電子の寄与という共通項があるため強い相関がある.本研究では格子欠陥近傍の局所的な熱/電気特性の変動を予測可能な評価システムを開発する.また,格子欠陥ごとの電気特性を評価することで,熱特性に優れた格子欠陥デザインを探索する.さらに実際の電子デバイス配線プロセスに倣って作製した銅微細配線に対して,選択的に格子欠陥を低減させる格子欠陥デザインに挑戦する.
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研究成果の概要 |
自由電子が寄与する金属材料の熱特性に関する局所特性評価手法は存在しない.また,微細化が進む半導体配線では,格子欠陥に起因した局所的な電気/熱抵抗が顕在化する.これら電気特性と熱特性には強い相関がある.本研究では等価回路網モデルを用いた評価手法を開発した.原子間距離に比例した局所電気抵抗を考慮することで,電気抵抗変動の力学応答と結晶方位依存性を評価した.未だ精度に問題が残るものの,簡便に局所電気特性を評価する手法としての可能性が示された.局所特性に影響する格子欠陥を制御するため,電気/熱ストレス下での電気抵抗測定,応力解析,模擬実験を行い,空隙による力学的異方性アニール手法について検討を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属材料中に不可避的に含まれる格子欠陥は,材料の熱/電気特性に局所的なゆらぎを生み出している.また,金属の熱特性と電気特性には,自由電子の寄与という共通項があるため,お互いに強い相関を示す.本研究では,金属の原子構造のスケールから簡易的に金属の熱/電気特性を評価可能な手法を構築するため,等価回路網モデルの基盤を構築した.本手法の高精度化によって熱界面材料の開発や,半導体の高品質化に貢献が期待される.また,半導体配線中の格子欠陥を選択的に除去可能性を有する,力学的異方性アニールについても検討を行った.本手法は半導体の高品質化に寄与することが期待される.
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