研究課題/領域番号 |
19K04269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武田 量 北海道大学, 工学研究院, 助教 (90645095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 膝関節 / 膝関節包 / 膝関節靭帯 / 有限要素法 / 力学試験 / 膝関節安定性 / 膝関節靭帯線維束 / 有限要素モデル / 膝関節運動再現 / CT画像 / シミュレーション / 靭帯組織 / 流体構造連成解析 / 靭帯線維束 / 生体力学 / 膝関節組織材料物性値 / 関節滑液 / 構造解析 / 安定性評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では①関節組織の物性値測定,②流体-構造連成解析と③関節滑液付加実験を通して関節滑液が膝関節安定性に寄与するメカニズムを解析する.①では力学試験を通して膝関節の各組織の物性値を特定する.①で得られた結果を②のモデルで入力し,関節滑液が及ぼす関節内の圧力.応力分布を計算する.③ではEx-vivo実験では膝モデルの関節滑液を制御し,関節運動時に掛かる荷重・トルクを測定する.②と③の結果を比較して関節滑液の影響を定量的に評価・検証する.これまで膝関節各組織(靭帯組織,骨組織,半月板,滑液)の相互作用を考慮した解析方法は無かったため学術的及び独創的な結果が予想される.
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研究成果の概要 |
本研究では膝関節安定性のメカニズムを調査した.まず,膝関節組織の材料物性値が測定可能な膝関節実験用のプラットフォームの構築した.本プラットフォームを用いて関節包・関節滑液が靭帯支持力に及ぼす影響を調査した.結果,関節包,関節滑液は関節靭帯線維と比較して深い屈曲角では膝関節の支持力には大きな影響は確認されなかった.しかし,浅い屈曲角度では支持力に寄与する可能性があることは分かった.最後にCT画像を基に膝関節の実形状数値解析モデルを構築した.任意の角度姿勢で膝関節の引出し運動を再現することが可能で,膝関節安定性に大きく寄与する十字靭帯線維束の荷重状態を推定した.先行研究との比較で妥当性も検証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
関節包や関節滑液には靭帯線維束の保護機能や軟骨組織の潤滑機能等が有り,膝関節の安定性に深く関係しているのにも関わらず,その機械的な力学特性を定量的に報告した例は少ない.本研究では実験と数値解析を通して,関節包,関節滑液,半月板,靭帯線維束が膝関節安定性のメカニズムに及ぼす影響を明らかにした.従来,靭帯断裂や変形性関節症の患者の術後経過は定性的なアンケート評価を行う事が多い.そのため,本研究で開発した解析手法を用いることで患者の膝関節の力学状態を定量的に提示することが可能となる.今後解析精度が向上した場合,臨床現場における関節症の診断・手術手法の評価,術後経過の観察に用いることが可能だと考える.
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