研究課題/領域番号 |
19K04284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
鞆田 顕章 福岡工業大学, 工学部, 助教 (20582414)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 機械力学・制御 / 振動解析 / 分子動力学法 / 内部摩擦 / マルチスケール解析 / 第一原理計算 / 古典分子動力学法 / 原子間ポテンシャル |
研究開始時の研究の概要 |
機械システムの開発・設計では,振動特性の異なる金属材料を用いた部品を多数使用することがあり,振動入力時において系の応答が著しく増大する可能性を有する.このような機械システムにおける振動応答の推定にはFEM(有限要素法)が用いられるが,金属材料の内部摩擦に起因する振動減衰能の再現が困難であり,CAEによる最適設計の障壁となっている.そこで本研究では,材料内部の転位や双晶といった内部摩擦を高精度にモデリングすることが可能なMD(分子動力学法)とFEMを組み合わせた統合振動シミュレータの開発に挑む.
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研究成果の概要 |
金属材料における双晶や転位などの内部摩擦を再現でき,複雑な機械システムの振動応答を高精度に推定可能な振動解析法を開発することを目的とした.マンガン基制振合金の一種であるM2052合金の結晶構造を分子動力学(MD)法によりモデル化し,深層学習に基づくニューラルネットワーク原子間ポテンシャル(NNP)の構築を試みた.MD法を用いた引張試験シミュレーションの結果,M2052合金の機械的特性を精度良く推定できるNNPの構築が実現可能であることを示した.今後は,双晶を考慮したMDモデルを構築したうえで,縦弾性係数や対数減衰率等の機械的特性の推定を行い,NNPの精度評価および改善を進めていく予定である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,金属材料の内部構造,周囲温度や圧力等の機械システムの運転環境を考慮した統合的振動解析法の開発が可能であることを示した.これは,CAE(Computer Aided Engineering)による複雑な機械システムの設計開発において,振動解析の位置づけを変化させるものであり,あらゆる環境下における機械システムの振動特性を実験せずに高精度に推定できるようになる.本研究で検討を進めている統合的振動解析法は,超小型機械や極限環境下での機械システムの開発等,様々な産業分野での応用が可能であると考えられる.
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