研究課題/領域番号 |
19K04289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 東京工芸大学 (2021-2022) 東京工業大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
神原 裕行 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (50451993)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 計算論的神経科学 / 視覚運動変換 / 脳機能イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
物体と相互作用がある運動を行うとき、我々の脳は物体の動きや物体が身体に及ぼす影響を予測しながら自らの身体を制御している。本研究では、運動中の脳波信号から物体の動きの予測に関与する脳部位、情報表現、脳部位間の情報の流れを可視化することで、外部環境の変化を予測する脳内メカニズムの計算論的なモデル化を目指す。また、脳の構造的な変化をもたらすことが知られている運動トレーニングを行うことによって、物体の動きの予測に関与する脳機能も変化するかを検証し、運動学習や適応も含めた運動制御に関する脳内情報処理機構の理解を目指す。
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研究実績の概要 |
ヒトが物や機械などの物体を操作する際、我々の脳は物体の動きや物体が身体に及ぼす影響を予測しながら自らの身体を制御している。本研究では、運動中の脳波信号から物体の動きの予測に関与する脳部位、情報表現、脳部位間の情報の流れを可視化することで、外部環境の変化を予測する脳内メカニズムの計算論的なモデル化を目的とする。また、脳の構造的な変化をもたらすことが知られている運動トレーニングを行うことによって、物体の動きの予測に関与する脳機能も変化するかを検証し、運動学習や適応も含めた運動制御に関する脳内情報処理機構の理解を目指す。本研究では、具体的な研究課題として以下の三つ課題を設定する。まず、バーチャルリアリティを用いたボールキャッチング実験環境の構築(課題1)を行う。次に、ボールの動きの予測に関する脳内情報処理の可視化とモデル化(課題2)を行う。最後に、複数のボールのジャグリング運動をトレーニングすることによる脳機能の変化の検証(課題3)を行う。2022年度は、バーチャルリアリティ技術を用いたジャグリングシステムに関して、実環境においてボールを投げる際の手の動きに近い動きで仮想世界のボールを投げられるようにシステム改良を行った。また、改良したジャグリングシステムを用いて、三つのボールによるジャグリングを仮想空間内でトレーニングする実験を実施するとともに、トレーニングによる脳活動の変化を脳波信号を解析することで検証した。仮想空間内でのジャグリングのトレーニングによる実空間のジャグリングスキルの変化に関する解析結果を国際会議や国内の学会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は,前年度に実施した実験時に被験者より得られた意見をもとに,課題1で構築したジャグリングのためのバーチャルリアリティシステムの改良を行った.具体的には,仮想空間内のボールを手から離すためのシステムへの入力方法を,手の動きの特徴を利用した方法から,指をボールから離す動作を検出する方法に変更した.さらに,変更の効果を検証するための実験を実施した結果,変更後の方法により,被験者がより自然な動作でボールを投げることができることが確かめられた.また,改良を行なったバーチャリアリティシステムを用いて,仮想現実空間内にて3つのボールのジャグリングのトレーニングを10日間に渡り行う計測実験を計7名の被験者を対象として実施した.トレーニング期間中の1,5,10日目の実験中は脳波データ計測を行なった.さらに,各トレーニング日において,ボールの動きの予測能力を定量化するために、液晶シャッターゴーグルを用いてジャグリング中の視覚情報を遮断する計測実験も実施した。なお,本研究課題が採択後に研究代表者の所属機関が異動したことや,コロナの影響により被験者を集めることに時間を要したため,当初計画していたスケジュールよりも進捗が遅れてしまっている.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に計測したジャグリングトレーニング中や,ボールの動きを予測する能力を定量化するために行なったタスク中の脳波データや身体運動データの解析を行い,ボールの動きの予測に関する脳内情報処理に関係する脳活動データを脳波信号から抽出し,物体の動きの予測に関与する脳部位、情報表現、脳部位間の情報の流れを可視化する予定である.また、仮想現実空間内でジャグリングを実現するバーチャルリアリティシステムを用いて、ボールの動きの予測に対する触覚情報や視覚情報の役割を調べるための、体動作や視線方向を計測する行動実験とデータ解析を行う予定である。
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