研究課題/領域番号 |
19K04319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 香川大学 (2020-2023) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2019) |
研究代表者 |
田中 芳夫 香川大学, 創造工学部, 客員研究員 (30357454)
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研究分担者 |
藤本 憲市 香川大学, 創造工学部, 教授 (20300626)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光ピンセット / 知能機械 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロマニピュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,1台の光源からのレーザ光を2本の偏光ビームに分割し,各々のビームに対し焦点位置を精密に実時間制御できる多点光ピンセット光学系を構成することで,双腕多指ハンドとして機能する非接触操作型の光マニピュレータを開発する.この制御観測系に,光学顕微鏡下の観測画像の実時間画像処理と画像再構成技術を統合することで,微小物の視覚認識に基づいた能動的な捕捉・把持と双腕系の協調動作を用いた非接触3次元マイクロ操作と計測技術の高度化・自動化について検討する.これにより,接触型マイクロ操作技術を補完し,かつ凌駕する技術として,光ピンセットマイクロ操作技術の学術的確立と3D細胞生物学等への展開をめざす.
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研究実績の概要 |
本研究では,1台の光源からのレーザ光を2本の偏光ビームに分割し,この2本の腕に対応する各々のビームに対し,マイクロ操作時のエンドエフェクタとなるレーザ光焦点位置や高輝度光パターンを精密に実時間制御できる多点光ピンセット光学系を構成することで,双腕多指ハンドとして機能する光マニピュレータを開発する。この制御観測系に,光学顕微鏡下の観測画像の実時間画像処理と画像再構成技術を統合することで,微小物の視覚認識に基づいた能動的な捕捉・把持と双腕系の協調動作を用いた非接触3次元マイクロ操作と計測技術の高度化・自動化について検討する。これにより,光ピンセットマイクロ操作技術の学術的確立と共に,3次元細胞生物学や顕微熟練作業の自動化に貢献できる基盤技術を開発することを目的とする。最終年度の成果および期間全体を通しての主な成果は以下のとおりである。 視触覚双腕光マニピュレータの開発と協調マイクロ操作:電気的焦点可変レンズと2軸走査ミラーを用いる3次元走査型光ピンセットを2組構築する双腕型光ピンセットに対し,観測系と制御系間の各種非線形歪みを較正する新たな手法を開発し,高精度な双腕型3次元光ピンセットシステムの設計および較正手法を確立した。本手法と画像処理技術を用いて,双腕操作時に被操作対象と球形エンドエフェクタ間の反力を作業者にリアルタイムで視覚的に提示する視触覚マイクロ操作システムの概念を提案し,試作システムで有効性を実証した。光捕捉からの逸脱のない安定かつ高精度な双腕協調光ピンセット操作においては,対象物の把持時に接触反力の検出が不可欠であり,リアルタイムに反力を視覚的に提示しながら両手でマイクロ操作できる視触覚双腕光マニピュレータは,世界的にもこれまで報告例が無く,従来の光ピンセットでは困難であった細胞のねじりなど,高度な顕微熟練作業の実現に貢献できる基盤技術となることが期待できる。
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