研究課題/領域番号 |
19K04330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮内 肇 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (20181977)
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研究分担者 |
三澤 哲也 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10190620)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 電力システム / 供給信頼度 / 価値尺度 / 確率分布 / 電力不足確率 / 下方リスク / 供給信頼度指標 / 電力系統 / 再生可能エネルギー / リスク鋭感的価値尺度 / リスク回避度 / 内部リスク回避度 / 電力系統工学 / 期待効用理論 |
研究開始時の研究の概要 |
電力系統の供給信頼度は、これまで停電などの事象分布の期待値で論じられてきた。系統の発電機が同期発電機だけである時代から、今、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー電源が大量に導入されて電力供給を担う時代に変わりつつある。それに伴い、停電などの事象分布の様相も変わりつつあり、供給信頼度を期待値だけで論じていると、事象分布の変化から、停電のリスクを十分に表現できない可能性がある。 そこで本研究では、市場流通性の低い財の価値評価法である期待効用理論に基づく効用無差別価格を供給信頼度評価に応用することで、停電などの事象分布を考慮した電力系統の新しい供給信頼度指標を開発し、その有効性を検証する。
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研究成果の概要 |
従来の電力系統の供給信頼度指標は、停電時間などの確率分布の期待値として表現されている。近年、再生可能エネルギー電源の導入に伴い電源構成とともにその確率分布も変化している。期待値は確率分布のごく一部の情報に過ぎないことから、我々は、確率分布全体を評価することができるリスク鋭感的価値尺度(RSVM)を用いた供給信頼度評価を提案している。RSVMを用いた供給信頼度評価の有用性を、IEEE RTSと離島系統を例題系統として検証する。特に、従来の供給信頼度指標では同等と評価された場合でも、RSVMは大きな供給支障があれば信頼度を低く評価することを示す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年再生可能エネルギー電源が大量導入され、電力系統の電源構成が大きく変わっているにも拘らず、期待値を用いた従来の供給信頼度指標で系統の信頼度を評価している。これは本研究でも明らかにしたように停電時間などの確率分布の様相が変わっていることから、場合によっては系統の信頼度を正しく評価できていない場合もあり得る。その課題に対し、確率分布全体の評価を行う信頼度評価指標を提案している点で、学術的にも社会的にも意義がある。 さらに、元々リスク鋭感的価値尺度は経済学の分野で財を評価する指標であるが、それを全く分野の異なる電力システム工学に適用し、文理の学際分野での展開を図った点で、学術的意義が高い。
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