研究課題/領域番号 |
19K04340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
高畑 一也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (10216773)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 過熱液体 / 突沸現象 / 液体窒素 / 過熱限界 / クエンチ検出 / 超伝導機器 / 高温超伝導 / 圧力伝播 / サブクール窒素 / 過熱限界温度 / 送電ケーブル / 常伝導転移検出 |
研究開始時の研究の概要 |
高温超伝導送電ケーブルは,大きな省エネルギー効果をもたらす有望な次世代技術である。従来,万が一の常伝導転移を電圧測定で検出していたが,高温超伝導の場合は発生電圧が小さく,特に交流の場合は検出が困難であることが課題として残っている。本研究では,液体から気体に相転移するときの大きな密度変化に着目し,細管の一部が温度上昇したことを細管端部の圧力上昇のみによって検知する革新的なアイデアを提案する。kmオーダーの距離であっても局所温度異常を検出することができることを,実験と解析によって明らかにする。
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研究成果の概要 |
高温超伝導機器の実用化を促進するためには,温度異常を簡便かつ確実に検出し,それによって機器を保護することが重要である。特に,クエンチ現象による急激な局所温度上昇は,機器を破損させる可能性がある。本研究では,細長いチューブに封入された過熱液体窒素の突沸現象を,チューブ先端に接続した圧力計で検出する方法を提案した。内径1mm,長さ50mのステンレス製細管を用い実験を行った結果,局所的な温度上昇が過熱限界である110K近傍で液体窒素の爆発的な沸騰を引き起こし,その圧力上昇が音速で管端まで伝播することが確認された。高温超伝導導体にチューブを沿わせることにより,局所温度上昇を検出できる可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超伝導送電ケーブルを含め,高温超伝導機器を普及させるためには,超伝導から常伝導への転移,いわゆるクエンチを確実に検出する必要がある。従来は電圧を測定する方法が主流であったが,電磁ノイズによる誤動作を避けられない。本研究で提案する突沸による圧力上昇を検出する方法では,電磁ノイズの影響を受けずクエンチによる局所温度上昇を確実に検出することができる。液体窒素の突沸現象は研究例が少なく,ステンレスの長尺細管内での実験は世界で初めてとなる。加熱条件によって突沸する温度が変化するなど,学術的に貴重な実験データが得られた。細管内での突沸現象は確実に起こることを実証し,超伝導機器への応用に期待が高まった。
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