研究課題/領域番号 |
19K04349
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
谷本 壮 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (60582765)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 酸素プラズマ / ダイヤモンドライクカーボン / 除膜 / ダイヤモンドライクカーボン膜 |
研究開始時の研究の概要 |
工具や金型等の保護膜等に用いられているダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は,使用頻度の増加や経年劣化等により劣化し,劣化した工具の多くは廃棄される。そのため,環境負荷低減やコスト削減の観点から製造・利用現場では,DLC膜のみを取除き母材を再利用したいといった要望がある。本研究では,母材の再利用を目指し酸素プラズマを用いDLC膜の除膜を行う。また,DLC膜は,密度や水素含有量等の違いにより膜種が異なるため各膜種に対する除膜メカニズムの解明を目指し,最適な除膜条件を探る。さらに,低コスト,高速処理かつ大面積処理可能な除膜技術の開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
ダイヤモンドライクカーボン膜は,高硬度,耐摩耗性等の優れた特徴をもち,機械部品,自動車部品,工具や金型等の保護膜などに用いられている。保護膜に用いられているダイヤモンドライクカーボン膜は,使用頻度の増加や長期利用に伴い劣化する。このようにダイヤモンドライクカーボン膜の劣化,経年劣化品等からダイヤモンドライクカーボン膜のみを母材から取り除き,母材を再利用したいといった要望がある。本研究では,ダイヤモンドライクカーボン膜を取り除く方法として酸素プラズマに着目し,ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜を試みる。そして,ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜メカニズムの解明,除膜技術の開発を目指している。 本年度は,立ち上げを行っている除膜装置を用い,酸素プラズマの計測およびダイヤモンドライクカーボン膜の除膜を行った。また,除膜時に生成されるイオン等について質量分析装置を用い計測を行った。 酸素ガス流量および除膜装置内の真空度を変化させダイヤモンドライクカーボン膜の除膜を行った。除膜に使用したダイヤモンドライクカーボン膜は,ta-C膜およびa-C:H膜の2種類用いた。ダイヤモンドライクカーボン膜の膜種の違いにより除膜速度の違いを計測した。酸素ガス流量1sccmから3sccmの間では,流量による除膜速度の違いはこれまで計測されなかった。しかしながら,酸素ガス流量を10sccmまで増加させた場合,3sccmに比べて除膜速度はa-C:H膜で約1.2倍,ta-C膜で約1.1倍向上した。また,質量分析装置の計測より二酸化炭素や炭化水素等のイオンの生成を確認した
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルス感染症の影響の他,研究外の用務量の増大などの研究環境の悪化に伴い,研究にさけるエフォートが大きく減少した。また,研究を進めるにあたり計測に必要な物品等の購入について検討する必要があり再度選定等に時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
新しく立ち上げを行っている除膜装置を用い,除膜速度の向上に向け引き続き酸素プラズマの評価とともに,除膜時等のイオン種等の計測を継続して行い除膜メカニズムの解明を目指す。
|