研究課題/領域番号 |
19K04356
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
高尾 智明 上智大学, 理工学部, 教授 (30245790)
|
研究分担者 |
坂本 織江 上智大学, 理工学部, 准教授 (40443262)
福井 聡 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70293199)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | SIMの動特性解析モデルの構築 / 動特性のシミュレーション / SIMの磁界解析 / 超電導誘導機の発電特性 / 超電導誘導機の動作特性 / 洋上ウィンドファームの系統特性 / 電力機器 / 超伝導誘導機 |
研究開始時の研究の概要 |
誘導回転機の2次巻線を高温超伝導線で構成し、その巻線を超伝導的に短絡した超伝導誘導回転機(SIM)を対象とする。本研究ではSIMの特徴である、1)すべりの全域で大トルク発生、2)同期速度に近づくと同期引き込みが起こり、界磁励磁電源を必要としない同期機として振舞う、3)同期運転状態では、電動機動作も発電機動作も可、4)電源電圧が喪失しても2次巻線には超伝導電流が維持され回転慣性により発電可、5)高効率コンパクトな機器の実現可、を生かして発電機動作にも着目し、SIMを電力機器へ応用するための基礎的な研究を行う。
|
研究実績の概要 |
令和4年度は、令和2年度及び3年度に引き続き新型コロナウイルスによる様々な制約の影響を受けたものの、幾つかの実験を実施し、ある程度の成果をあげることができた。具体的には、研究計画調書の研究目的、研究方法などにて記載した③-2フライホイールを用いた瞬低補償装置の検討である。 SIMにフライホイールを付け、例えば工場の電源系に連系して通常時は空転させておき、電源の電圧が低下したときにはフライホイールの慣性で発電機として電圧を維持し、電源の電圧が復帰した場合はそのままSIMの回転が安定に回復し通常状態に戻る。このように電力変換器を必要としない高効率の瞬時電圧低下補償装置を目指して実際に試験を行った。その結果、 1500rpmの同期速度から3秒程度の停電において発電機運転し無停電電源装置として機能し、復電後は再び電動機運転に戻ることを確認した。停電の間に負荷のため回転数が150、 300、 450rpmだけ低下する試験において、無停電電源装置の動作中に回転数や電圧が下がり過ぎた場合には、再度の同期引き込みが発生して復帰までに時間が掛かる点が見られたが、すべての条件において無停電電源装置として機能することが実証できた。 このようにコロナ禍において実現できなかった幾つかの実験を実施することができ一定の進捗があったが、まだ十分でない状況である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度及び4年度に引き続き、新型コロナの影響のため学外業者の大学入構への制約があり、令和元年度にほぼ完成していた実験装置の運転・調整等に手間取り、実験が十分に行えなかった。このため、解析結果と実験結果の比較、SIMの運転特性に関する研究が滞った。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題に関する計画変更はなく、所期の計画通りにほぼ実施できると考えている。 解析に関しては、令和2年度及び3年度に構築したシミュレーションプログラムにより、SIMの大規模風力発電機の系統連系特性についての検討を中心にSIMを用いた瞬時停電対策電源のとしての特性についての検討を行う予定である。 また、実験に関しては新型コロナが再拡大するか否かによって状況が異なるが、大きな影響がなければ、必要に応じてSIM特性試験装置を用いてSIMの発電機運転や電動機運転を切り替えつつ無停電電源装置としての各種特性評価試験も行う予定である。 そして研究成果は、英語により国際学会などで適切に発表する予定である。
|