研究課題/領域番号 |
19K04382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
久保 博嗣 立命館大学, 理工学部, 教授 (40633243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 通信方式 / 変復調 / 信号処理 / 移動体通信 / 音響通信 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,伝搬路の時間変動や遅延時間広がりが極めて大きな2重選択性の伝搬環境に有効なマルチキャリア差動トレリス符号化変復調技術を検討する.本研究の狙いは,現在その実現が困難とされている,高速移動体同報通信のカバーエリア拡大や音響通信の移動環境への耐性向上である.具体的な数値目標は,従来比で4~6倍厳しい2重選択性伝搬環境への対応である.本研究では,(1)差動トレリス符号化変調の伝搬路予測形復調による伝搬路の時間変動への耐性向上,(2)信号点配置と波形整形フィルタ形状を協調させたマルチキャリア伝送による遅延時間広がりへの耐性向上により,上記2重選択性伝搬環境耐性の数値目標を達成する.
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研究成果の概要 |
本研究では,伝搬環境の時間変動や遅延時間広がりが厳しい2重選択性の伝搬環境への耐性改善を目的として,マルチキャリア差動トレリス符号化変復調技術を検討した.本研究では,(1) 伝搬環境の時間変動に有効な差動トレリス符号化変調の伝送路予測形復調,(2)遅延時間広がりに有効な時間軸方向に差動符号化を適用したマルチキャリア伝送方式,を提案した.また,計算機シミュレーションにより,上記(1)と(2)の技術を組み合わせたマルチキャリア差動トレリス符号化変復調技術にて,従来技術が対応可能な条件と比較して約5倍厳しい2重選択性伝搬環境に対応可能であることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2重選択性の厳しさは伝搬環境の時間変動と遅延時間広がりから規定され,最大ドップラー周波数と遅延時間差の積(パラメータfDτD)にて定量的に評価できる.従来の移動体通信では0.5%程度以下のfDτDを検討するのが一般的であり,1%以上のfDτDに対応することは困難であった.本研究の成果により,従来技術が対応可能なfDτDの約5倍の約5%程度のfDτDに対応する無線伝送方式が確立できた. 本研究の技術確立により,時速500kmを超える移動速度で数十kmのカバーエリアを実現する高速鉄道用の空間波列車無線,移動速度が3knotを超える水中音響通信にて,高品質・高信頼通信を実現することが可能となる.
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