研究課題/領域番号 |
19K04384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
吉田 悠来 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所フォトニックICT研究センター, 主任研究員 (50573036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光コヒーレント通信 / 位相回復 / 光信号品質評価 / 光コヒーレント伝送方式 / 光検出器アレー / 光空間多重伝送 / 光同期検波 / 位相再生 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、基幹系光通信網で広く採用される光位相変調信号の同期検波(コヒーレント受信)には、局発光源や光ハイブリッドなど、多数の光学素子からなる複雑な光前処理回路が用いられている。はたしてこれら前処理回路の一切を廃してコヒーレント受信ができないものだろうか?本課題では、光検出器アレーで観測した多数の強度情報の組のみから、信号処理的に失われた光位相情報を回復するという新奇なアプローチで、局発光すら必要としない、簡素で空間的拡張性に優れた次世代のコヒーレント受信方式の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
超高速光ファイバ通信で用いられる光コヒーレント受信機の簡素化を目指し,高速光検出器アレーと位相回復技術を用いた計算的同期検波方式を新たに提案した.画像処理分野で知られる位相回復アルゴリズムを援用し,受信信号の散乱パターンから光位相を逆算することで,高精度なレーザ光源や光集積回路なしに,光位相変調信号の受信を実現する. 位相回復受信のためのロバストな位相回復アルゴリズムを導出し,光16QAM信号など多様な光位相変調信号の受信が可能であることを実証した. さらに,提案受信方式を応用した簡便な光信号モニタリング手法についても提案,400Gbps 16QAM信号を用いた実証実験に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
基幹系光ファイバ伝送システムでは,光の強度だけでなく位相にも情報をのせることで超高速伝送を実現するが,光位相情報の検出,すなわちコヒーレント受信には,高精度なレーザ光源や複雑な光集積回路が必要となる.本研究ではこうした複雑な光デバイスを廃し,計算的に光位相を検出する新たな受信方式を提案した.提案手法により,光コヒーレント受信機の小型・簡素化が期待でき,今後,光コヒーレント方式による超高速光伝送システムが,アクセス系など我々のより身近なところに応用するための要素技術となることが期待される.
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