研究課題/領域番号 |
19K04401
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
四方 博之 関西大学, システム理工学部, 教授 (00510124)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 無線センサネットワーク / ウェイクアップ無線 / 省電力化 / コンテンツ指向制御 / ウェイクアップ受信機 / データ指向制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本格的なIoT社会の到来とともにIoTデータ収集基盤技術である無線センサネットワークが普及しつつある。本研究課題では、所望コンテンツ(センシング情報)を保持するノードのみを無線リモート起動することで省電力データ収集を実現するコンテンツ指向ウェイクアップ制御の研究を行う。ウェイクアップ制御法設計と通信品質向上・広域化の課題に取り組むことで広域コンテンツ指向省電力・低遅延データ収集技術を確立する。
|
研究実績の概要 |
本研究課題では、コンテンツ指向ウェイクアップ制御技術の確立とその有効性実証を目指している。本年度は、ウェイクアップ制御とデータ通信制御の連携効果の詳細検討および広域センシングを実現するためのマルチホップ化に関する検討を行った。 ウェイクアップ制御とデータ通信制御の連携について、センサ観測値の空間相関に基づいた方式設計および詳細評価を行った。本検討では、空間相関を有する観測データを生成するデータ発生源の同定に対して、コンテンツベースウェイクアップ制御を用いたデータ収集が有効であることを示した。同定では、ディープラーニングの一種であるConvolutional Neural Network (CNN)を用いており、このような機械学習による推定の省電力化および高精度化にウェイクアップ制御が影響するという知見を得た。 また、マルチホップ化に関する検討として、クラスタリングを適用した2-hopネットワークへのコンテンツ指向ウェイクアップ制御の拡張を行った。各クラスタのクラスタメンバ数に応じて適切なウェイクアップ制御をコンテンツ指向制御とIDベース制御の間で切り替える方式を提案した。本提案方式のデータ収集遅延およびノードの消費エネルギーに関するシミュレーション評価を行い、その有効性を確認した。さらに、2-hopネットワークにおける隠れ端末のウェイクアップ制御への影響を緩和する方式を提案し、提案方式のシミュレーション評価および有効性検証を行った。その結果、提案方式を用いることで、隠れ端末によるデータ収集精度の劣化を抑制可能である事を示した。 上記の検討により、観測データの特質考慮によりウェイクアップ制御の特性向上を実現できる事を実証するとともにマルチホップ化に適した方式を明確にした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標の一つは、センサ観測値の空間相関に基づいた方式の検討により、コンテンツ指向ウェイクアップ制御におけるウェイクアップ制御とデータ通信制御の連携効果の明確化を行う事であり、その目的は達成できた。また、もう一つの目標は、広域センシングを実現するためのマルチホップ環境に適したウェイクアップ制御法の明確化であり、その目的についても達成できた。昨年度の検討で明らかになった隠れ端末に関する問題を解決する方式の提案・有効性検証も実施できた。これらの理由から、本年度は、おおむね順調に研究が進捗したと評価する。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、広域センシングを実現するためのマルチホップ制御について、2-hopよりも多くのホップを含むネットワークへの拡張を検討する予定である。特に、2-hopネットワークで導入した適応ウェイクアップ制御選択を3-hop以上のネットワークに適用する際の問題点を整理し、その問題を解決する機能を備えた方式を提案する。そして、計算機シミュレーションによりマルチホップネットワークにおける特性をセンサノードの消費エネルギーやデータ収集遅延の観点から評価し提案方式の有効性を検証する。これらの検討によりマルチホップ環境に適したウェイクアップ制御法を明らかにする予定である。
|