研究課題/領域番号 |
19K04414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
杉本 和子 桐蔭横浜大学, 工学研究科, 研究員 (60642171)
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研究分担者 |
杉本 恒美 桐蔭横浜大学, 工学研究科, 教授 (80257427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 非接触音響探査法 / 非破壊検査 / Spatial Spectral Entropy / SSE解析 / 空間スペクトルエントロピー / 共振周波数 / レーザドップラ振動計 / SSE / Spatial spectral entropy / 欠陥検出 / LRAD / 共振周波数の検出 / 共振周波数検出 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では,高度成長期のコンクリート構造物が経年劣化し,維持管理の社会的要請が高まっている。コンクリート構造物の内部欠陥の定量的検査法として,遠隔(5-33m)から音波照射加振とレーザドップラ振動計を用いた非接触音響探査法を研究してきた。2つの音響特徴量を用いた欠陥検出アルゴリズムや,コンクリート健全部の統計評価に基づく欠陥検出法を提案し検証してきた。今回,空間スペクトルエントロピー (SSE: Spatial Spectral Entropy) という解析手法を提案し,内部欠陥の共振周波数を自動検出する。従来方法に,SSE解析を組み合わせれば,よりロバストな欠陥検出アルゴリズムが可能となる。
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研究実績の概要 |
非接触音響探査法は,非接触で遠隔(5-33m)から非破壊検査を実施し,複合材料,特に,コンクリート内部欠陥(深さ8-10 cm位まで)を検出し,映像化しようとする技術である。実験では,空中音波で対象物を加振し,レーザドップラ振動計を使って,2次元振動速度分布を測定する。得られたデータの解析方法として,空間スペクトルエントロピー (SSE; Spatial Spectral Entropy) を提案し,測定対象面上の内部欠陥の位置とその共振周波数を検出する。その周波数帯に絞って振動エネルギーで映像化することにより,測定対象面の欠陥部と健全部との差がうまく検出され・映像化される。 2019年の英語論文では,SSEの基本原理とコンクリート供試体での適用例が述べられている。2020年の論文では,実コンクリート構造物への適用例を含むSSE解析の成果が述べられている。2022年の英語論文では,欠陥検出アルゴリズムに関わるSpectral Entropy(SE)と 内部欠陥の共振周波数検出のためのSpatial Spectral Entropy(SSE)の各々の規格化を定義し,測定対象や測定条件に依存しない尺度となるNormalized SEとNormalized SSEを提案した。これにより,誰がどこで測定しても,一律の確率・統計的な値が得られるため,データの蓄積により,お互いの測定データを共有できれば,後進の役に立つと考える。最終年度では,吹付けコンクリートなどの表面状態が滑らかでない対象に対するSSE解析の前処理についても検討した。 この科研費(2019-2023年)は,新型コロナの影響で,国内・国際学会が開催されなかったり,オンライン開催になったりして,交通費・宿泊代等が当初の計画より少なくなり,その分,延長・再延長をお認めいただいたお蔭で,地道な研究が継続でき,とても感謝している。
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