研究課題/領域番号 |
19K04415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高田 明雄 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 教授 (40206751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 電子回路 / 非線形現象 / 積分発火回路 / ノイズ誘起同期 / ホワイトノイズ発生 / ノイズスペクトル / ノイズ / 同時発火 / 不感帯 / 神経細胞モデル / 積分型発火回路 / ホワイトノイズ / 確率共鳴現象 / ノイズ発生回路 / チップ部品 / 回路の小規模化 / カオス現象の停止 / 力学系の一部変更 / 複数チャネルでのノイズ発生 / カオス / パラメータ依存 / ノイズ帯域 / PLL / ランダムノイズ発生器 / 信号検出 / カオス現象 / 位相同期ループ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,入力信号の有無だけしか判断できない低感度で単純な『しきい素子』を多数組み合わせ,また同時に各素子に対して,互いに相関のないノイズを加えるだけで高感度なセンシングを実現するため,これまで誰も試みたことがない多チャンネル・ランダムノイズ発生器の開発を目的とする. そこで,ホワイトノイズをロバストに発生しうる条件や得られるノイズの性質を位相幾何学および統計学的な観点から明らかにする.その結果に基づいて,回路を設計製作し,その動作確認後,多チャンネルノイズ発生器を構成し,実際にセンシングに応用し特性を評価する.
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研究成果の概要 |
非線形現象を利用した多チャンネルノイズ発生器の開発を目的とし,ランダムノイズを発生させる力学系の簡素化およびチップ部品を使った回路の小型化を達成した.また,設定すべき回路パラメータの組み合わせも明らかにした.しかし,同一仕様で製作した回路の中にノイズが発生しないものがあり,その原因究明が困難なため研究の継続は困難と判断された.そこで,研究をノイズが神経細胞の情報伝達に有益に影響を与えている点に焦点を当て、積分発火発振回路のノイズ誘起同時発火現象を研究した。結果として、ノイズが微弱信号検出や信号同期プロセスに果たす役割の理解を深め、新たな神経細胞の特徴を模倣した科学的応用への道を開いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
力学系の理論研究と応用の両面において新しい知見が得られ,他の複雑系の解析や制御に応用可能な手法を提供した.小型の実用的なノイズ発生器の開発に貢献し,集積回路やポータブルデバイスにおけるノイズの生成の研究に新たな道を開いた. また,ノイズを加えたシンプルな神経細胞モデル,すなわち積分発火回路のノイズ誘起同期現象は,確率論的に解析することが可能であることを示し,結果としてノイズが信号同期プロセスに果たす役割を解明し,ニューロモルフィック技術への応用・展開を広げた.以上のことは,ノイズ発生の活用が期待される通信,計測,医療機器・ヘルスケアなどの分野で,新製品の開発を促進するものと期待される.
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