研究課題/領域番号 |
19K04421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西村 吾朗 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (30218193)
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研究分担者 |
藤井 宏之 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00632580)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 多重散乱 / 蛍光 / 逆問題 / 散乱係数 / 時間応答関数 / ICG / 光伝搬 / 拡散方程式 / 蛍光イメージング / 生体計測 / 多重散乱体 / 近赤外蛍光法 / 光伝搬解析 / 逆問題解析 / ピコ秒時間分解法 / 医用光計測 |
研究開始時の研究の概要 |
センチネルリンパ節や癌組織などの高感度検出は、医療現場においてきわめて重要である。その中で、近赤外蛍光法は放射性アイソトープなどで問題となる被爆の恐れのない方法として注目されているが、組織の強い散乱による広がりと背景光により組織深部にある蛍光物質検出は極めて難しい。このような困難に対し、時間応答特性の違いを用いて、真の蛍光を取り出す。さらに蛍光体について単純な形状を仮定した解析により、高感度でロバスト、さらにリアルタイムで結果を与えるアルゴリズムと計測装置を研究し、新たな生体組織蛍光計測手法を確立する。
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研究成果の概要 |
生体組織深部の蛍光体を高感度高精度に同定する方法に至る研究を行った。生体組織のような濃い散乱体中での散乱係数の振る舞い、観測方向が及ぼす影響などをタイムドメイン法を用いて得られる時間応答関数の計測結果をもとに議論した。濃い散乱体中での散乱係数の議論には散乱体粒子の排除体積効果について、また角度を変えた場合には時間依存の拡散方程式の解から求められた流れの影響を考慮する必要があることの2つがわかった。さらに、単純な形を持つ蛍光体の位置同定に関して、直方体を仮定した方法を検証し、より単純な点とした場合の蛍光の時間応答関数のピーク時間を求めた。また、その位置を決める最少のデータ点数を求め証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体組織などに埋め込まれた蛍光体の高感度高精度な同定のためには、散乱体組織のなかの光伝搬を解析する必要があったが、本研究ではそのうち、散乱の度合いに当たる散乱係数が濃度に対する振る舞いや計測データの角度依存性に対して、解析的なアプローチから物理的な解釈を可能とした。また、蛍光体の位置の同定に関して、数学的に厳密な議論を行った。このような基礎的なアプローチからもたらされた物理的な理解はこれまでにあまりなく、今後の方向性への指針を与えるものと考えられる。
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