研究課題/領域番号 |
19K04423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
伊藤 聡志 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80261816)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 磁気共鳴映像法 / 深層学習 / 圧縮センシング / 高速撮像 / 画像再構成 / MRI / 再構成 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
磁気共鳴現象を利用したMRIの課題の一つに撮像の高速化がある.近年,数理的に撮像を高速化できる圧縮センシングが応用されるようになり,一部は実用化に至っている.圧縮センシングは今後も期待できる有望な方法であるが,得られる画像が自然でない場合があること,また画像再構成に時間を要するという2つの問題がある.そこで,本申請では画像再構成問題に深層学習を導入する全く新しい方法について検討を行う.深層学習の応用は上記の2つの問題を解決できるだけでなく,撮像法を含めてMRIに新たな価値を創造する可能性がある.そこで,MRIの撮像法と再構成を統合した新たな高速撮像法を本研究のテーマとする.
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研究成果の概要 |
圧縮センシングのMRI応用において,深層学習を利用する再構成法は従来の反復再構成法よりも高品質な画像を再構成することができた.また,画像に不自然さはなく,再構成時間は0.5秒以内と大幅に短縮化されたことにより,課題の殆どを解決することができた.学習法では,信号-画像間学習では信号の間引きパターンに頑健であり,画像-画像間学習は非ランダムな信号間引きにも対応可能な性質が明らかになった.深層学習再構成は,単なる反復再構成法の置き換えではなく圧縮センシングの条件を緩和することができ,計測とデータ駆動科学の融合の可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MRIの撮像時間を短縮する目的で圧縮センシングを導入する研究を行った.課題であった画質と再構成時間の短縮は高いレベルで満足できる結果を得た.また,深層学習再構成の方式によっても画質や再構成時間,必要な画像データ数などが異なり,それぞれ特徴があることが明らかになった.さらに,深層学習の導入は計測方法の常識までも変える可能性を持ち,今後さらに計測と計算機処理の融合により高いレベルでの計測,さらなる撮像時間の短縮化など新たな次元の計測へ展開する方向性が示唆された.このように深層学習に代表されるデータ駆動科学のMRI応用において新たな知見が得られたことから学術的,社会的意義は大きいものがある.
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