研究課題/領域番号 |
19K04442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 山口大学 (2019, 2021) 山口学芸大学 (2020) |
研究代表者 |
石川 昌明 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (30201916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 感染症モデル / 確率システム / ワクチン接種 / 年齢構造 / 確率分岐 / 確率安定性 / 確率リヤプノフ指数 / シミュレーション / 安定性解析 / 感染制御 / 分岐理論 / 不顕性感染 / 平衡解 / リアプノフ定理 / 確率モデル / 感染症抑制 / シミュレーション解析 / 齢構造 / 安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症解析において人に対して実験を行うことは倫理上の問題があるため,感染症抑制戦略の確立には数理モデルを用いたシミュレーション解析が重要な役割を果たす.しかし,従来の研究は環境変化や個人差による感染率等の揺らぎを無視した確定モデルに基づいた研究であった.また,人口の年齢分布,感染年齢,個体の空間移動や感染の空間拡散を無視した集中モデルによる感染症抑制戦略であった. そこで,本研究では,環境変化や個人差による感染率・回復率などの不規則な揺らぎ,年齢構造や人の空間移動を取り入れた実際的な感染症モデルを構築し,確率システム理論の立場から現実に即した感染症抑制戦略の確立を行う.
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研究成果の概要 |
従来の感染症モデルの大半は環境の変化や個人差に起因する感染率・回復率などの揺らぎを考慮しない確定的な感染症モデルである.本研究では年齢構造,感染率・回復率などの不規則な揺らぎを取り入れた実際的な感染症モデルを構築し,確率安定性理論や分岐理論を用いて感染者の平衡状態の安定性を明らかにし、感染症流行抑制に必要なワクチン接種率の推定法を確立した.また,新型コロナ感染症の特徴の一つである不顕性感染者(無症状感染者など)を考慮した確率感染症モデルも構成し,ワクチン接種や感染率・回復率などの不規則な揺らぎの安定性への影響を確率リヤプノフ指数を用いて明らかにし、シミュレーションにより定量的にも解析を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の感染症解析の大半は確定感染症モデルに基づいており実際問題への応用に難点があった.そこで,本研究は感染率・回復率などの揺らぎを考慮した実際的な確率感染症モデルを構築し,安定性解析により感染症流行抑制に必要なワクチン接種率の推定法を確立した点に学術的意義がある. 感染症の流行は社会や経済だけではなく,従来の人間の生活様式にも大きな影響をもたらしている.このように新型コロナ感染症をはじめとする種々の感染症により大きな打撃を受けている現代社会において効果的な感染症抑制戦略の立案やその流行過程の解析に対する社会的要請が高まっており,本研究はこのような社会的要請にこたえるものである.
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