研究実績の概要 |
今年度は,以下の研究実績が得られた. (1) 不確かさを有するImpulsive 線形システムに対して,モデルマッチング問題を定式化し, 研究目的の中で述べられた,「ロバスト不変部分空間」の概念を用いて,様々な性質が調べられた.さらに,上記問題が解けるための条件についても調べられた.得られた結果は,国際的な学術雑誌に投稿する予定である. (2) 線形切り替えシステムの各サブシステム行列がブロック三角行列の場合について,昨年度に引き続き,任意切り替えのもとで指数安定であるための条件について調べられた.さらにそこで関係の深い3次の正規行列のパラメータ表現が与えられ,数値シミュレーションに応用された.また,正規行列のパラメータ表現は,数学的にも興味深い結果となった.本研究成果は,N. Otsuka and T. Shimizu, “Exponential Stability of Switched Block Triangular Systems under Arbitrary Switching”, Linear and Multilinear Algebra, Taylor & Francis, published online 23 pages:2023.として掲載された. (3) 不確かさを含むPositive線形切り替えシステムに対して,Reduced-Order区間Positive オブザーバが存在するための条件が,連続系及び離散系の両方に対して得られた.得られた結果は,国際的な学術雑誌へ投稿中である. (4) 2021年に掲載された論文 G. Conte, A.M. Perdon, N. Otsuka and E. Zattoni, “Disturbance Decoupling by State Feedback for Uncertain Impulsive Linear Systems”, International Journal of Robust and Nonlinear Control, Wiley, Vol.31, Issue 10, pp.4729-4743, 2021.がWiley社からTop Downloaded Articleとして表彰された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績(1)については,イタリアの共同研究者(G. Conte, A.M. Perdon, E. Zattoni)らと電子メールにて情報交換を行いながら研究を進めてきたものであり,その成果は,国際的な学術雑誌へ投稿する予定である.また,研究実績(2)で述べられた学術雑誌は,清水氏(研究代表者の研究室所属であった)との共同研究によるものであり,数学的にも興味深い結果となった.さらに,研究実績(3)では,筧氏(研究代表者の研究室所属であった)との共同研究によるものであり,国際的な学術雑誌へ投稿中である.(4)については,2023年3月にWiley社からTop Downloaded Articleとして表彰された.
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