研究課題/領域番号 |
19K04460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
甲斐 健也 東京理科大学, 先進工学部機能デザイン工学科, 准教授 (60419471)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ジャストインタイム制御 / ジャストインタイムモデリング / ビッグデータ / データベースド制御 / 自動運転 / 車 / モバイルロボット / マルチコプタ / モデル予測制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,制御対象の入出力データが蓄積されているデータベース自体をその制御対象のモデルとみなし,そのデータベースを活用して制御を行う「ジャストインタイム制御法」の理論展開ならびに応用技術を目的としている.この方法を用いると数理モデルは不要となり,さらに入出力データから容易にデータベースが構築可能であるので,時間とコストの削減に繋がると考えられる.特に,近年発展がめざましい「ビッグデータ技術」との融合を目指し,複雑かつ大規模なシステムに対して,高速・高精度・高ロバストな新しいデータベースド制御法の開発を目標としている.
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研究実績の概要 |
本年度は本研究課題の5年目であり,1~4年目に構築した研究成果を基盤とし,さらなる発展的・応用的な研究成果の導出を目的とした.実施した主な研究テーマとしては以下が挙げられる. (1)ジャストインタイム制御法の応用可能性を示すために,実機のモバイルロボットを制御対象とし,データベース作成法ならびに経路追従制御法を開発した.特にモバイルロボットが計算時間などの影響によってぎこちない動作を行わないために,「予測型ジャストインタイム制御」を提案し,未来の動作を予測・修正しながら繰り返しジャストインタイムモデリングを行う手法を開発した.実機実験の結果,モバイルロボットが滑らかな動作を行いながら少ない誤差で経路追従を実現することが示された.さらに,前進だけではなく後進の動作もデータベース化することによって,より複雑な経路も追従させることが可能となった. (2)ジャストインタイム制御法をロボットマニピュレータのPoint-To-Point制御問題ならびに経路追従制御問題へと適用した.提案手法では,ロボットマニピュレータの逆運動学問題を考慮しつつ,アーム角度ならびに制御入力を一意に決定するような手法を提案し,シミュレーションによって有効性を確認できた.また,Point-To-Point制御を応用することによって,目標経路上を経路追従する制御法へと拡張し,シミュレーションによって滑らかな動作でロボットマニピュレータが経路追従制御されることが示された. (3)ジャストインタイム制御法を2足歩行ロボットの安定歩容生成問題へと適用した.2足歩行ロボットの一歩に関する様々なデータを格納したデータベースを構築し,目標軌道上を安定性を保持しながら歩容を生成する手法を開発した.シミュレーションの結果,提案手法によって,安定歩容の実現が示され有効性が確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は本研究課題の5年目であり,1~4年目の研究成果を基盤として,より一層の発展的・応用的研究を進めることを目的としていた.研究実績の概要においても示されているように,ジャストインタイム制御法の予測型への改良,ならびに複数の制御対象への応用に関して研究成果をあげることができた.さらに,いくつかの研究成果は論文発表ならびに学会発表することができた.ゆえに,当初の計画通りおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度で得られた研究成果に基づき,今後は以下のような研究課題に取り組む計画である. (1)ジャストインタイム制御法の有効性・有用性を示していくために,シミュレーションならびに実機実験による検証を進めていく計画である.実機実験の制御対象としてはモバイルロボット,マルチコプタ,ロボットマニピュレータなどの移動体・ロボット,さらにゲーム分野・ものづくり分野・データ工学分野などの広い研究分野を視野に入れている. (2)ジャストインタイム制御とビッグデータ技術とのより一層の融合,ならびに制御アルゴリズムの高速化・高精度化を進めてゆき,より一層の高パフォーマンスの実現を目指していく. (3)研究成果がまとまり次第,国内学会・国際学会・雑誌論文への投稿を進めていく予定である.
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