研究課題/領域番号 |
19K04476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
木下 健太郎 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (60418118)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 欠陥 / 抵抗変化メモリ / 学習デバイス / 物理リザバー / 金属酸化物 / 学習 / セレクター / 光 / ショットキー接合 / 素励起 / セレクタ / 金属酸化物薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の予備的な実験により,ソフトエラー耐性が高いとされてきた抵抗変化メモリ(ReRAM)において,紫外光誘起のSEが発生することが示された.この結果は,金属酸化物(MO)中で「紫外光照射 ⇒ 電子励起 ⇒ 格子歪 ⇒ 欠陥生成・移動」という一連の励起過程が存在することを示唆しており,フィラメント状酸素欠陥というReRAMの特殊環境で初めて観測にかかったと解釈できる.本研究の目的は,MO膜内の環境変化に敏感なReRAMの酸素欠陥フィラメントを高感度のセンサーとして利用する新たな欠陥検出手法を確立し,同手法により,前記励起過程の存在を検証することにある.
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研究成果の概要 |
電気、光の両刺激で導電性の変調が確認されるSnドープIn2O3(ITO)/NbドープSrTiO3(Nb:STO)接合に注目し、光応答特性の電気的制御を試みた。作製したITO/Nb:STO接合は電圧誘起の抵抗変化と、紫外光照射による光誘起電流の発生が共に確認された。接合に電圧を印加しながら光誘起電流増加/減衰の緩和特性を評価した結果、±0.5 Vの電圧範囲で2桁に亘り光誘起電流の緩和時間を制御できることが明らかになった。接合の物理リザバー性能を評価するため、手書き数字の画像分類タスクを行った結果、入力信号の時間スケールに合わせて、適切な電圧を選択することで、学習が最適化されることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物理リザバー計算(RC)は時系列信号の低電力かつ高速リアルタイム処理に適し、エッジ領域での学習適用性が高いため注目されている。RCのコアであるリザバーを物理系のダイナミクスに置き換えることでリザバーの物理実装が可能となり、計算コストと時間の削減が期待される。本研究はITO/Nb:STO接合におけるUV照射による光電流の緩和時間を、±0.5 V以内の微小電圧の印加により数桁にわたって変調できることを明らかにした。これにより様々な時間スケールの時系列信号を、単一のデバイスにより処理できることから、社会的意義は大きい。その機構は永続光伝導等、欠陥物理との関連性が考えられ、学術的にも大変興味深い。
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