研究課題/領域番号 |
19K04490
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
倉井 聡 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (80304492)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 窒化インジウムガリウム / 窒化アルミニウムガリウム / 量子井戸構造 / 転位 / ポテンシャル障壁 / 空間分解分光 / カソードルミネッセンスマッピング法 / 近接場光学顕微分光法 / III族窒化物混晶半導体 / 内部量子効率 / オフ角制御 / オフ角 / 顕微分光 / GaInN / 貫通転位 |
研究開始時の研究の概要 |
青・緑色InGaNおよび深紫外AlGaN量子井戸構造における貫通転位近傍のバンドギャップエネルギーの空間的変調について顕微分光学的手法を用いた評価を行い、貫通転位起因のバンドギャップ変調領域の形成機構、その均一性および発光効率への寄与を明らにする。バンドギャップ変調が試料内で均一に形成されているかどうかについて検証する。また、それらの構造が貫通転位へのキャリア流入を妨げるポテンシャル障壁として有効に機能するかどうかをマクロスコピックPL評価による内部量子効率との比較により明確化する。
|
研究成果の概要 |
InGaNおよびAlGaN量子井戸(QW)構造について顕微分光法による評価を行った。InGaN QWの貫通転位近傍のポテンシャル障壁の形成機構について検討し、PLスペクトル中の複数の高エネルギー発光ピークの起源が量子井戸面内の不均一性に起因することを示した。ポテンシャル障壁高さとPL発光強度の正相関からポテンシャル障壁の効率改善への有用性を示した。さらに、下地層構造の違いによりポテンシャル障壁高さが変化することを見出し、格子歪との関連性について指摘した。また、AlGaN QWにおいて、基板オフ角と発光効率の関係を調べ、欠陥領域とキャリア局在領域の重畳が効率を低下させることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、InGaN QWにおいて貫通転位近傍に自己形成されるポテンシャル障壁の形成機構について考察し、量子井戸面内の不均一性の存在やVピット形成下地層(超格子層、MT-GaN層)の効果が示された。また、ポテンシャル障壁の高さと発光強度、IQEに正の相関が見られ、発光効率改善への有用性も明らかとなった。さらにAlGaN QWにおいて貫通転位が密集した欠陥領域とキャリア局在領域が重畳したことがIQE低下の要因であることを示した。いずれも欠陥領域とキャリア局在領域の制御が発光効率の改善に重要であり、この機構・機能に関するいくつかの知見が得られ、さらなる構造の改善や活用が期待される。
|