研究課題/領域番号 |
19K04494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
畠山 哲夫 富山県立大学, 工学部, 教授 (90222215)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 電子デバイス / 界面テクノロジー / パワーデバイス / MOSFET / 移動度 / シリコンカーバイド / 散乱機構 / 電気双極子 / 双極子 / 散乱 / 二次元電子ガス / 界面 / 遮蔽 / SiC / MOS界面 / 界面準位 / 散乱要因 / クーロン散乱 / 界面ラフネス散乱 / 界面電界強度 |
研究開始時の研究の概要 |
SiC MOS界面の移動度の劣化要因をホール効果測定とSplit-CV測定を用いた界面評価実験と散乱機構別の移動度の理論計算結果の比較により解明する。移動度のプロセス、面方位依存性と温度依存性等を理論計算の結果と比較することにより、SiC MOSFETの反転層移動度の散乱機構を推定する。散乱機構・散乱体密度のプロセス、面方位依存性の検討により移動度劣化の原因となるMOS界面欠陥の実体を洞察し、SiC MOSFETの反転層移動度改善のためのプロセス開発の指針を得る。
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研究成果の概要 |
SiC MOS界面の物性を考慮した散乱理論に基づく移動度計算プログラムを開発し、移動度計算と移動度測定結果を比較することにより、まずSiC MOS界面移動度の劣化要因はフォノン散乱及び界面のクーロン散乱ではないことを示した。次にSiC MOS界面移動度の実効電界依存性、電子濃度依存性はMOS界面の双極子による散乱で説明できることを示した。界面双極子の生成機構を考察し、SiC MOS界面近傍の高密度格子欠陥が界面電荷移動層に乱れを生じさせ、界面双極子が生成されるというメカニズムを提案した。以上によりSiC MOS界面移動度の主な劣化要因は、高密度のMOS界面双極子の可能性が高いと結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SiC MOS界面の移動度は、SiC材料自体の移動度と較べて非常に小さく、SiC MOSFETの性能を律速している。そのためSiC MOSFETの活用範囲は界面の移動度の影響が少ない高電圧の電力機器に限定されてい。SiC MOS界面の移動度の改善はSiC MOSFETの活用範囲を広げ、省エネへのインパクトが大きい。一方、SiC MOS界面の移動度改善の研究は20年以上取り組まれていたが、困難な問題であり、十分な成果が上がっていない。本研究はSiCMOS界面の移動度の劣化の物理の本質に迫るものであり、移動度問題解決のロードマップの最初のマイルストーンとなる成果である。
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