研究課題/領域番号 |
19K04498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
眞砂 卓史 福岡大学, 理学部, 教授 (50358058)
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研究分担者 |
笠原 健司 福岡大学, 理学部, 助教 (00706864)
柴崎 一郎 公益財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (10557250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ホール素子 / 挟ギャップ半導体 / 量子井戸 / 狭ギャップ半導体 / 量子井戸構造 / 非接触電流センサ / ホール効果 / 電流センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、現在産業界で使われる磁気センサ技術開発と結晶成長技術の実績を生かして、超高感度磁気センサ技術、およびその応用としての超高感度非接触電流センサの開発に向けて注力し、実用化の道を開く研究を実施する。さらに本研究に付随して得られる結果から、狭ギャップIII-V族半導体の薄膜の量子構造における未知の物性や、スピントロニクス材料としての新規の可能性についても検討を進める。本研究では、未だ学術的にも未解明な部分の多い狭ギャップIII-V族半導体ナノ薄膜の基礎物性やノイズ特性との関係等を体系的に明らかにすることにより、超高感度磁気センサ等の要素技術の確立する。
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研究成果の概要 |
格子ミスマッチがほぼ0%のInAs0.1Sb0.9/Al0.1In0.9Sb量子井戸は、極低温においても導電性を維持し、高移動度を示す。量子井戸構造のバンドダイアグラム計算を行ったところ、井戸層と障壁層の組成に依存して、バンド構造が大きく変化することを見出した。このため、動作層やバリア層の組成を変化させたときの量子井戸構造の変化を系統的に検討し、広範な温度領域にわたって実用的な高感度磁気センサの開発を進めた。バンドギャップ、キャリア密度の温度変化、井戸の閉じ込め深さ等を評価し、極低温動作可能な高感度磁気センサや電子デバイス等の製作に最適な組成を決定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回見出した量子井戸構造でホールセンサを作製すれば、これまでにない、高感度で温度安定性の高い磁気センサを実現できる可能性がある。また、近年広い温度範囲での測定が望まれるようになっているが、低温における高感度磁気測定が可能になる。これにより、nTオーダーの検出が可能な安価な磁気センサの開発や、微小なmAレベルの電流を検出可能な非接触電流センサの実現にもつながる。半導体の温度安定性が向上する技術でもあるため、ホール素子以外にも利用もできる技術である。また、意図的なドーピングをせずに同等のキャリア増加効果を得る量子井戸の設計方法が示された点は、学術的にも有意義である。
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