研究課題/領域番号 |
19K04517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
伊藤 弘 北里大学, 一般教育部, 教授 (50525384)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | テラヘルツ / ヘテロダイン検波 / パッシブ・イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、システムの小型・低価格化に大きな効果が期待できる「パッシブ・テラヘルツ波イメージング技術」を確立するためのキー部品として、小型・軽量で高感度な「集積型テラヘルツ波ヘテロダイン検出器」を開発する。そのために必要な検出器、信号源、合波回路、実装筐体などを開発し、パッシブ・イメージングを実証する。
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研究実績の概要 |
前年度に提案した、「SiCプラットフォーム」を用いたサブハーモニックミキシング用の素子を作製するため、新たに素子作製プロセスを実施し、素子チップを完成させた。そして、前年度作製したサブハーモニックミキシング用の導波管2入力型筐体(Jバンド用:220-325GHz帯、及びDバンド用:110-170GHz帯)を用いてモジュール実装を行った。このモジュールを用い、LO信号源であるDバンドUTC-PDと組み合わせて検波特性の評価を行った結果、300GHz帯でのサブハーモニックミキシングにおいて、これまでFMBダイオードで得られていた最も低い(最も良好な)雑音等価電力(NEP)と同等の値である 4E-19 W/Hzを達成した。この結果は、提案した「SiCプラットフォーム」技術がサブハーモニックミキシング用の素子にも適用できることを明確に示していると共に、信号分離用の回路として帯域フィルター回路を組み合わせた構成が有効である事も示している。また、これまでの構成とは異なる「E面割り」型構造の筐体が、高周波信号の伝搬特性の観点で問題無いことも確認した。さらにこれらと並行して、当初計画にあった「テラヘルツ平面回路」の動作を実証するため、信号分離機能を有する平面回路を用いた新たな検出器構成を提案すると共に解析的な検討を進め、検出器としての基本動作が可能である事も確認した。この新たな構成については、今後の試作への導入を検討する。加えて、イメージングの実現に向けては、新たなX-Yステージを導入することで、測定系の構築を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たに提案した素子構成により、サブハーモニックミキシングにおいて、これまで得られていた中で最も低いNEPと同等の4E-19 W/Hzを達成することができた。これは、目標値を大幅に超える良好な結果である。また、新たに提案した構成は、基本波ミキシングと比べLO信号源への負担を軽減することが可能であることから、より実用的なものである。さらに、新たなテラヘルツ平面回路を用いた構成の提案と解析も進めた。以上の結果は、計画の目標に向けて着実に進捗しており、全体としておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
新たに試作したモジュールを用い、イメージングの実現に向けた検討を進める。また、新たに提案した検出器構成の動作を実証するため、素子作製プロセス及びモジュール実装を再度実施し、テラヘルツ波平面回路の動作を検証する。そしてこれらの検討結果を総合化することで、計画の目標実現を目指す。
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