研究課題/領域番号 |
19K04521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中山 英俊 長野工業高等専門学校, 機械ロボティクス系, 教授 (10390452)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 表皮効果 / 高周波伝送線路 / 低損失 / 負透磁率材料 / Cu導体 / NiFe磁性体 / 矩形多層伝送線路 / 円形多層伝送線路 / 異方性磁界 / バンドパスフィルタ / 表面粗化 / 電子デバイス・機器 / 磁性 / 省エネルギー / 電子・電気材料 |
研究開始時の研究の概要 |
次の3つの観点により系統的研究を行う。①多層構造伝送線路の電磁界設計理論に基づき、負透磁率材料による低損失効果を明らかにし、設計面から材料開発に必要な特性を提示する。②10GHz以上の周波数帯で負透磁率が得られる電気めっき製膜技術を開発し、磁性体/導体の多層構造の超低損失伝送線路を試作する。③高速伝送プリント配線における銅箔表面粗化に対する有効性を示すことにより、産業界が抱える表面粗化と損失のトレードオフを解消する。
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研究成果の概要 |
本研究は、強磁性共鳴周波数を超えた超高周波領域の透磁率応用分野を新たに開拓する研究として、負透磁率特性を活用した表皮効果抑制線路を提案するものであり、高速伝送線路の低損失化・低遅延化を目的として実施した。 表皮効果損失抑制の有効性を示すため、負透磁率材料を用いた円形および矩形の多層構造伝送線路の設計理論を確立できた。 矩形多層構造では、プリント配線の銅箔表面粗化に対する有効性を検証できた。円形多層構造では、負透磁率材料の異方性磁界の変化に対して、同軸ケーブルの各種損失を加味して、Sパラメータの周波数特性の算出が可能となった。以上の成果により、今後の研究開発に必要な設計理論を確立できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、負透磁率材料を用いた表皮効果抑制線路の有効性を示すことができ、強磁性共鳴周波数を超えた超高周波領域の透磁率応用分野を新たに開拓する研究として、実用化に必要な設計方法を確立できた。 矩形多層伝送線路では、Cu導体/NiFe磁性体の33層構造で、本電磁界理論の適用により従来理論の設計と比較して、表皮効果による損失を80%まで低減できる効果を示すことができた。円形多層伝送線路では、同軸ケーブルのSパラメータを評価できるようになった。 本研究成果は、従来抑制困難であった表皮効果損失を低減する低損失伝送線路の研究開発に資するものであり、高周波回路の更なる低損失化が期待される。
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