研究課題/領域番号 |
19K04555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
日比野 誠 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90313569)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | マクロセル腐食 / ターフェル勾配 / カソード律速 / カソード反応 / アノード律速 / 分極抵抗 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,鉄筋コンクリートのマクロセル腐食に着目し,マクロセル回路が形成されるときの分極抵抗を測定する手法を確立することである.これに加えて,確立された分極抵抗の測定方法を利用して亜硝酸塩の防食効果を評価することである. 研究の方法は,分極抵抗を既往の交流インピーダンス法などによって測定するのではなく,性質の異なる2つの鉄筋コンクリートブロックを接続することでマクロセルを形成し,自然電位とマクロセル電流の変化量からマクロセル形成時の分極抵抗を測定するものである.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,コンクリート中の鉄筋に生じる腐食のメカニズムを解明することである.腐食反応は酸化反応であるアノードと還元反応であるカソードに分かれて生じるが,既往の研究では,1本の鉄筋をコンクリート中に埋設して腐食反応を評価しているため,アノード反応とカソード反応をそれぞれ独立して制御することが困難であった.本研究では,性質の異なる鉄筋コンクリートブロックを接続することでアノードとカソードを空間的に独立させ,それぞれの反応を意図的に制御できるようになった.このことを利用し,マクロセル腐食が生じるときの反応抵抗であるターフェル勾配(分極抵抗)を定量的に評価することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の代表的な成果は,鉄筋のマクロセル腐食におけるアノード反応とカソード反応を独立して制御可能としたところである.これによりコンクリート中の鋼材に生じるアノード反応とカソード反応のメカニズムをより詳細に検討できることになった.特に本研究では,カソード反応を活性化する手法を見出し,アノード律速となるマクロセル腐食を再現することに成功している.これにより今まで困難であったアノード反応の分析が可能となった.以上の成果により鉄筋コンクリート構造物の塩害劣化に関する実験方法を多様化することができ,新たな防食工法の開発を支援することができると考えられる.
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