研究課題/領域番号 |
19K04567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 (2021) 東北大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
古川 幸 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (30636428)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アンカーボルト / 露出柱脚 / 接合部回転性能 / 鉄骨置屋根 / 鋼構造接合部 / 十字鋼板 |
研究開始時の研究の概要 |
災害発生時に避難場所となる体育館は,災害直後の継続使用が求められる。しかし実際は,極近年の地震災害においても一般的な鉄骨置屋根体育館が多く被災し,現地の混乱をさらに助長した。当課題に対し,特に東北地方太平洋沖地震(2011)以降,体育館特有の構造的特徴を考慮した設計の高精度化や,従来型支承部の課題点を把握する研究が活性化した。しかし,建物の耐用年数中に起こりうる自然災害の事象を設計時に想定することは現在の工学では不可能であり,「想定外」事象に対する安定した継続使用性は,構造物の「靭性」「冗長性」を高めて担保するほかない。そこで,本研究では,鉄骨置屋根体育館の新しい「高靭性」支承部を提案する。
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研究成果の概要 |
支承部の回転性能に関する実験より,提案する支承部が十分にピンとみなせる低い回転剛性を有することを明らかにした。また,せん断力と曲げモーメントを受ける支承部の回転剛性と降伏曲げモーメントの評価式を確立した。さらに,アンカーボルトがせん断力と引張力を同時に負担する問題点を指摘し,ばね座金を適用することで解決できることを実験的に示した。 支承部を適用したRC部材のせん断力載荷実験より,RC部材のひび割れ発生耐力は埋込部材のテコ作用力の影響を考慮した側方破壊耐力で,鋼板を溶接したアンカーボルトを用いた提案型接合部の最大耐力はRC部材のせん断耐力式で評価できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
市民体育館等で一般的に採用される鉄骨置屋根形式の体育館が被災し,避難所としての機能を果たせず,災害直後の現地の混乱をさらに助長する例が後を絶たない。一方で,大空間構造である体育館は,屋根と屋根を支持する外周構造体の双方で面外剛性が低いことから,地震時における屋根支承接合部への設計要求値を正確に把握し難いという特徴がある。 以上を踏まえて,本研究では脆性的な破壊を生じやすい従来型の屋根支承接合部に対して,より機構が簡明で高い靭性を保有する接合部を提案した。実験を通して提案する接合部の応力伝達機構の解明と回転特性,およびせん断耐力の評価方法を提示した。
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