研究課題/領域番号 |
19K04577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
廣畑 幹人 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50565140)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 溶接 / 残留応力 / 疲労 / 局所加熱 / 鋼床版 |
研究開始時の研究の概要 |
疲労き裂が多発する鋼床版端部の垂直補剛材と縦リブが近接する領域を対象に,溶接線が複雑に配置される狭隘構造における残留応力分布の特徴を,モデル供試体を用いた実験および熱弾塑性解析により明らかにする.さらに,対象とする構造の耐疲労性を向上させるため,高周波誘導加熱装置による比較的低温の局所加熱を施し,溶接部の引張残留応力を低減させる技術の適用を試みる.そして,残留応力の低減効果を定量的に明らかにするとともに,疲労試験を行い,残留応力の低減による耐疲労性の向上効果を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,疲労き裂の発生が多く報告されている道路橋鋼床版を対象に,特に狭隘な構造の床版端部の垂直補剛材と縦リブの間の領域について,溶接残留応力の性状を解明するとともに耐疲労性の向上を目的とした.対象とする構造をモデル化した小型供試体に対し,局所加熱により溶接残留応力が低減されることを熱弾塑性解析シミュレーションを通じて確認した.溶接のままと局所加熱を施した状態の供試体を用いて疲労実験を実施した.その結果,局所加熱した供試体の疲労寿命が溶接のままに比べ大きく向上する傾向が得られた.なお,疲労寿命の向上効果は作用する繰返し外力の条件の影響を強く受けることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により,局所加熱による溶接残留応力の低減が道路橋鋼床版の端部垂直補剛材とデッキプレートのまわし溶接部に適用可能であることが明確になった.また,局所加熱による残留応力の低減が疲労寿命の向上効果にどのように寄与するのかを明らかにしたことは学術的に大きな意義を有する.また,既存の疲労寿命向上技術と,本研究で注目した局所加熱の疲労寿命向上効果を比較することで,その位置づけを明確にしたことは,実用化に対する具体的な知見を示したものであり,その社会的意義は大きいと言える.
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