研究課題/領域番号 |
19K04595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
酒井 俊典 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (90215591)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | グラウンドアンカー / 破断 / 曲げ変形 / 緊張力 / 維持管理 / 実物大装置 / 地震 / 豪雨 / 曲げ変位 / 実物大試験 / 定着荷重 / リフトオフ試験 |
研究開始時の研究の概要 |
アンカーは常時数百kNの緊張力が作用した状態で保持されているため,想定以上の地山変状が生じた場合には破断して飛び出し,第三者に被害を及ぼす危険性がある。本研究では,従来考慮されていなかった地すべり等の地山変状による曲げ変形が,アンカーの破断に及ぼす影響を明確にするため,地山変状によりアンカーに破断が発生した現場調査を行うとともに,実物大試験装置を用いて曲げ変形を与えたアンカー実験を実施し,曲げ変形を受ける各種アンカーの特性,並びに破断時の対策手法を確立し,破断特性を考慮した新たなアンカー維持管理手法の提案を行うものである。
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研究成果の概要 |
のり面や斜面の安定を保持するために利用されているグラウンドアンカー工に対して,地震や豪雨などによって発生する破断の原因とその対策について検討を行った。その結果,アンカーの破断は,従来考慮されていなかった地すべり等によって生じる地盤内の曲げ変形を受けることで発生することを明らかにした。実物大試験装置を用いた実験において曲げ変形によるアンカーの破断について検討を行った結果,曲げ変形を受けた場合,設計に用いられる引張り強度より低い強度で破壊することが明らかとなった。また,アンカー破断による飛び出し防止対策として,ゴムを用いた摩擦抵抗による方法が利用できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,現在まであまり行われてこなかったアンカーの破断に対し,その発生状況や破断原因について詳細な調査を行うとともに,実物大アンカー試験装置を用いた試験を実施し,不確実性を有する土工構造物であるアンカーに対して,地すべり等により地盤内にすべりが発生した場合,すべり面における曲げ変形によりアンカーに破断が発生することを明らかにした。また,曲げを受けた破断時の強度は,設計に用いられる引張り強度以下の強度であることを示すと共に,ゴムによる摩擦を用いた破断時のアンカーの飛び出し防止対策を提案した。これらの成果は,今後のアンカーの適切な維持管理の推進に繋がるものとなっている。
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