研究課題/領域番号 |
19K04603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
竹村 貴人 日本大学, 文理学部, 教授 (30359591)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | スクラッチテスト / 岩石の硬度 / 摩擦係数 / せん断試験 / 炭酸塩鉱物 / 二酸化炭素地下貯留 / 断層破砕帯 / 断層再活動 |
研究開始時の研究の概要 |
断層が再活動した際の問題点は,新たな水みちが形成され,大深度に貯留・処分した物質が流体と共に地表付近まで到達する可能性がでてくることである.しかしながら,実験室レベルでの,断層の再活動のメカニズムと再活動による透水性の変化についての評価は追いついておらず未解明な点が多く残されている.今後,我が国においても,地下空間を利用する機会が増えるであろうことをふまえ,断層再活動の可能性と再活動による地表面への影響を適切に評価するために地盤工学に基づいた断層の再活動による流体移動のリスク評価法を開発し提案することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では岩石のコア試料を用いて,その力学物性の連続的な評価をスクラッチテストを用いて行った.スクラッチテストでは,岩石表面を硬度の高い材料(ダイヤモンド圧子など)を用いて,垂直荷重を負荷させた状態で引っ掻くものである.引っ掻く時の水平方向にかかる荷重と垂直荷重の比が摩擦係数となり,その連続的な変化を得ることができる.岩石コアの脆性的な挙動を示す箇所は差応力が負荷された際には亀裂を生じる破壊が起こるため,将来の流体の移動経路になるものと考えられ,スクラッチテストはその評価を連続的にコア試料で行うことができることを示すことができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,地下空間の利用,廃棄物の地層処分や二酸化炭素地下貯留などにおいて,その流体移動経路となりえる亀裂が新たに形成されるかどうかを評価するための手法の開示を行った.流体移動経路の評価は地域全体で行うことはできず,ボーリングコアなど限られた試料から推定せざるを得ない.そのような中,本研究で開発したスクラッチテストはコア試料を用いて連続的に物性値を得ることを可能としている.また,スクラッチテストでは使用する領域が表面のみであることから,その後のコア試料の観察や室内試験への影響も極めて少ない.そのため,まず初めにコア試料を使って連続的な物性評価をするにはスクラッチテストが最適であると考える.
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