研究課題/領域番号 |
19K04610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 静岡理工科大学 (2020-2022) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
牧野 育代 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (00542060)
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研究分担者 |
小林 厚志 日本大学, 工学部, 教授 (90361138)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アオコ / Microcystis / メタボローム解析 / RNA-seq / De novo解析 / 遺伝子解析 / 光合成 / メタトランスクリプトーム解析 / メタゲノム解析 / 野生型Microcystis / De novo / バイオインフォマティクス |
研究開始時の研究の概要 |
Microcystisは,ガス胞遺伝子を調節して鉛直移動するものの,増殖するうちに水面に固定化(アオコ化)されるようになる.Microcystisにとって鉛直移動は基本的生理機能とみなせるにもかかわらず,その鉛直移動を崩してまでアオコ化する理由についてはこれまで明らかになっていない.生き物の最大の目的は生命の維持だが,それに反するようにアオコ化する理由には,水中では得られない利益が水面に存在することを示唆する.本課題は野生型Microcystisのアオコ化と生命戦略としての進化との関係を遺伝情報から探索し,近年,顕著になった大規模アオコ化の核心的意義を解明する.
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研究成果の概要 |
大繁殖したシアノバクテリアで構成されるアオコ現象は,世界的な水資源の脅威となって久しい.本研究では,アオコ対策を講じる準備段階として,まずアオコの生態を理解することに焦点を当てた.具体的には,遺伝子解析とメタボローム解析によりシアノバクテリアの挙動とアオコの形成メカニズムについて検討した.その結果,アオコ形成に必要なバイオフィルムの構成要素は,光合成作用により生産される細胞外多糖であることが明らかとなった.つまり,アオコの形成に最も適した時間帯は日中であると推測される.さらに,夜間には多糖の排出が減少することでバイオフィルムマトリクスの生成が制御され,細胞集合体の維持が困難になると考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子解析とメタボローム解析を用いてアオコ形成の生物学的メカニズムの一部の可視化に成功した.これによりシアノバクテリアの挙動とアオコ形成との間の生物学的プロセスを詳細に理解することが可能となり,特に水資源工学の領域において新たな視点を提供することができた.具体的には,アオコ形成に最適な時間帯や細胞外多糖の生成,並びにバイオフィルムマトリクスへの影響など,未解明であったアオコ形成の過程について新たな理解を得た.本研究の成果は,アオコ問題に対する解決策の策定に必要な重要な情報源となり得ると考えられ,アオコに対する予防策や対策の開発において重要な基盤を提供できることが期待される.
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