研究課題/領域番号 |
19K04619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
辻本 久美子 岡山大学, 環境生命科学学域, 助教 (80557702)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 土壌水分量 / 衛星観測 / 誘電率 / 保水性 / 輝度温度 / マイクロ波リモートセンシング / 放射伝達モデル / 陸面データ同化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,人工衛星による土壌水分量観測アルゴリズム(衛星搭載マイクロ波放射計による輝度温度観測値に基づく土壌水分量推定手法)について,特にアジア域での精度向上を目指してアルゴリズムの改良を試みる.アルゴリズム全体の中で,湿潤土壌の混合誘電率モデル(土壌水分量-誘電率関係)を検討対象とする.アジア特有の土壌の情報が全球データセットや既存モデルに十分に反映されていないことから,日本を含むアジア域土壌に関する土性・保水性・土壌水分量-誘電率関係のデータベースを作成し,それを用い,保水性の影響に着目して既存の誘電率モデルを評価・改良する.これらを通し,衛星観測による土壌水分量推定精度の向上を図る.
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研究実績の概要 |
今年度は,昨年度までに開発した新たな誘電率モデルの性能を圃場スケールで検証するため,農場において圃場実験を行った.圃場実験では,地上設置型の実験用マイクロ波放射計を用いて圃場面の輝度温度を連続観測し,観測期間中の複数回,圃場土壌を採取してその水分量を重量法によって直接計測した.誘電率モデルを組み込んだ放射伝達モデルによって土壌水分量と輝度温度との関係をシミュレーションしてその結果を実験値と比較した結果,開発した誘電率モデルの有効性が確認された. さらに,開発した誘電率モデルに全球土壌データセット(Harmonized World Soil Database)及び複数のPedotransfer関数を入力することで,全球各地の土壌水分量と誘電率との関係を求めた.先行研究で開発・現業利用等されている他の複数の誘電率モデルに対しても同様の関係を求め,これらを比較することで,衛星観測された輝度温度から土壌水分量を推定する際に,用いる誘電率モデルによってどのように土壌水分量の推定誤差が生じるのか,世界各地の多様な気候帯や土壌に対して定量的に評価した. ここで得られた結果は,土壌水分量の衛星観測アルゴリズム開発研究において,用いる誘電率モデルの選択に対して定量的な誤差情報を与えるものであり,各地域の土壌特性に配慮してアルゴリズム開発研究を行う上で有用になると考えられる.本成果からは,本研究で着目したように,土壌の保水性に関する情報を利用して湿潤土壌の誘電特性を適切に評価できる可能性が示され,その精度は既存の誘電率モデルと同等あるいはそれよりも高いことが示唆された.保水性と関連付けて誘電特性をモデル化することは,衛星観測されない日時の土壌水分量を数値モデルで計算する際に有意義であり,陸面データ同化システムに組み込むことで高精度高分解能土壌水分量観測に貢献できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究推進に対して,関連分野の複数の研究者らから多くのご助言やご支援をいただき,当初の予定よりも効率的に研究を進めることができている.
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を複数の学術論文として投稿中・投稿準備中であり,引き続き成果の発信を進めていく.
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