研究課題/領域番号 |
19K04632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター |
研究代表者 |
小島 永裕 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 専門員 (00503624)
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研究分担者 |
谷 誠 人間環境大学, 人間環境学部, 特任教授 (00314245)
佐山 敬洋 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70402930)
正岡 直也 京都大学, 農学研究科, 特定助教 (90786568)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 山地源流域 / 谷壁斜面 / 降雨流出応答 / 流出機構 / 鉛直浸透過程 / 土壌物理性 / 斜面モデル / 流出モデル / 洪水流出 / 飽和不飽和浸透流 / モデル開発 |
研究開始時の研究の概要 |
流域総合治水対策に適する分布型流出モデルの開発には、近年発展の著しい河道モデルに、物理的根拠の明確な斜面モデルを結合する必要がある。しかし、空間不均質性がネックとなって、土層内の飽和不飽和浸透流のモデル化が遅れている。本研究では、浸透流に基づく斜面モデルを不均質性も考慮して作成し、斜面土層内の水流動の詳細な観測によって検証する。さらに、得られた結果のパラメータ化を行って治水対策に応用可能な貯留型流出モデルを開発する。
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研究成果の概要 |
山地から河川までを対象とした流域総合治水対策が重要であることにかんがみ、森林斜面における土壌水分動態の観測とその動態をふまえた流出モデルの開発を行った。大雨時には斜面下部で圧力水頭の鉛直伝播が速やかに生じた一方、上部では土壌の下層部分で圧力水頭があまり上昇せず乾燥部分が残った。斜面中部から谷側における土壌層底面の圧力水頭の時間変動は斜面下部からの流出の時間変動と対応しており、洪水流出応答特性が土壌層内の鉛直浸透過程によって主に支配されると推察された。また、この結果に基づき、土壌水分動態を考慮した分布型流出モデルの開発に応用し、土壌タイプが河川流出に及ぼす影響に関する評価に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果によって、森林斜面における雨水浸透過程が鉛直不飽和浸透流をベースにした流出モデルで表されることが明らかになった。このことからこれまでの研究では得られなかった、流出応答に対する土壌物理性等の影響について評価できるものと推察された。また、実測を反映したシミュレーションモデルが得られ、森林の持つ水源涵養機能をより実態に即した評価ができる可能性が示され、さらには、山地から下流域までを対象にした流域総合治水対策に貢献できるものと考えられた。
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