研究課題/領域番号 |
19K04641
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
|
研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
蒔苗 耕司 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (10295404)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 知識マネジメント / BIM/CIM / ライフサイクルマネジメント / 道路設計 / 建設プロジェクト / システムアーキテクチャ / 知識マネジメントシステム / 社会インフラ設計 / 技術継承 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,道路設計を対象として,BIM/CIMの一部に,設計者の配慮や工夫,意思決定過程等の人間の思考に関する情報を格納できる情報モデルを構築し,それに基づき蓄積された思考情報データベースから,人工知能等を適用して,設計に求められる知識・知恵を抽出できるシステムの構築を行う.また抽出された知恵を,実際の道路設計と対比する評価実験を行い,有効性を検証する.さらに,統合的な知識・知恵のマネジメントシステムの概念モデルの構築を行うとともに,その活用方策について技術伝承及び自動設計の2つの相対する観点から目指すべき方向性を明らかにする.
|
研究実績の概要 |
本研究では,社会インフラとして主に道路を対象に,設計過程での配慮や工夫,意思決定における設計者や事業者の思考情報を格納できる情報モデルの構築と,それらに基づく統合的な知識・知恵のマネジメントシステムの構築を目指している. 本年度の研究では,第一に,これまでに構築した知識・知恵の格納モデルの概念をベースに,インフラ構築の理念から具体の構造設計に至る情報構造スキーマの構築を進めた.構築にあたっては,既存道路の建設事例を対象に,工事誌に基づく分析作業を行い,理念から設計に至る過程での情報の連鎖構造の分析を行った.その分析結果に基づき,各設計段階での設計機能を関数として捉え,概念設計は地域特性や交通統計,地形条件等を入力し,起終点・通過点・サービスレベルを出力する関数として,また基本設計は前段階での出力情報に加え地形情報等を入力し,概略の3Dモデルを出力する関数として表されることを示した.さらに詳細設計段階では,工区や構造に基づくセクショニングに基づき設計作業が行われ,そのプロセスが段階的にLOD(Level of Development)を向上させていく再帰的な関数として表現できることを表した.第二に,道路線形の地形に対する選好性を明らかにするために,山地部の峠越え道路を対象に,標高差及び距離をコストとした経路探索アルゴリズムで算出される道路線形と過去に人為的に設計された道路線形との合致性の検証を行い,道路設計メカニズムの解明を進めた.また関連研究として,建設現場監督者が行う進捗良否判定を行うポイントを明らかにし,それに基づき映像から自動検出されるKPI(key performance indicator)に基づく建設マネジメントシステムの構築に関する研究を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度まで新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて研究に遅延が生じていたが,本年度は概ね順調に研究を進めることができ,国際会議における成果公表も予定通り行うことができた.しかしながら,前年度までに生じた遅れを挽回するまでは至らず,研究期間延長申請をせざるを得ない状況であったことから,「やや遅れている」と評価した.
|
今後の研究の推進方策 |
研究自体は順調に再開できており,今後は,これまでの研究成果に基づき,道路線形設計メカニズムの解明及び知識・知恵のモデル化,知識マネジメントのあり方について検討を進めるとともに,研究成果の公表を着実に進めていく.
|