研究課題/領域番号 |
19K04666
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤林 恵 九州大学, 工学研究院, 助教 (70552397)
|
研究分担者 |
宮田 直幸 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (20285191)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 食物連鎖 / 脂肪酸動態 / 湖沼 / 高度不飽和脂肪酸 / 富栄養化湖沼 / トロフィックマーカー / アオコ / 繊毛虫 / 鞭毛中 / 原生動物 / 必須脂肪酸 / 鞭毛虫 / 同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまで藻類や一部の細菌が合成すると考えられてきた必須脂肪酸が、繊毛虫や鞭毛虫などの原生動物によっても合成されいてることを明らかにすることを目的とする。さらに、水圏生態系の食物網における原生動物の必須脂肪酸供給源としての役割を評価できるようにするために、原生動物の食物網を解析するための方法を開発することを目指す。
|
研究成果の概要 |
動物の生存に不可欠な栄養素であるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸といった高度不飽和脂肪酸はおもに藻類によって合成され、食物連鎖を介して水圏生態系の高次の動物に利用される。本研究では原生動物の繊毛虫にも高度不飽和脂肪酸合成および供給する役割があることを示すために、純粋培養した原生動物の脂肪酸組成を調べるとともに、湖沼において、高次の水生動物に対する原生動物の餌としての寄与を推定するための手法の開発を目的に研究を行った。その結果、繊毛虫1種においてエイコサペンタエン酸の合成能が認められた。また、脂肪酸の炭素安定同位体比を指標とすることによって、湖沼での繊毛虫の餌としての寄与を推定できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで藻類が担っていると考えられてきた水圏生態系における高度不飽和脂肪酸供給の役割を原生動物も担っている可能性を示した。さらに、申告な湖沼環境問題を引き起こす藍藻を餌とした場合でも、高度不飽和脂肪酸を合成できることが示された。このことは、湖沼の水質改善や生物多様性に対する原生動物の役割が大きいことを示しており、今後は原生動物の機能を活用した生態工学的な湖沼環境改善技術の開発が期待される。
|