研究課題/領域番号 |
19K04668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
古川 隼士 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (90632729)
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研究分担者 |
上野 崇寿 大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (30508867)
清 和成 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80324177)
亀井 樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80792168)
Amarasiri Mohan 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50815537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | インパルス電界 / 薬剤耐性菌 / 薬剤耐性遺伝子 / 下水処理場 / 消毒 / パルス電界 / 下水処理 / インパルス電圧印加 / 消毒技術 / 耐性遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、既存の消毒技術の欠点を補完できる技術の開発と導入に向けて、インパルス電圧印加技術を応用した新たな消毒技術の確立を目指すものである。さらに本技術では、単なる微生物細胞の不活化だけでなく、細胞内部の遺伝子をも破壊(不活化)可能な技術としての確立を考えている。これによって、近年、新たな水環境問題である薬剤耐性菌とその耐性遺伝子の不活化が可能になるため、これらの水環境中への拡散の抑制に大きく寄与できるものと考えている。本申請研究では、下水二次処理水を対象に、最適な消毒処理条件、およびその消毒機序に関わる知見・情報を明らかにし、実証実験に関する研究に発展させたいと考えている。
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研究成果の概要 |
我々は、インパルス電界(PEF)印加消毒を応用して薬剤耐性菌(ARB)および耐性遺伝子(ARGs)の不活化も可能とする消毒技術の確立を目指し、本研究では、PEF印加消毒によるARBおよびARGsの不活化効果を明らかにすることを目的とした。PEF印加消毒は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)だけでなくvanA遺伝子も不活化できることが明らかにした。VREは検出下限値以下まで削減された(5log以上)一方で、vanA遺伝子も4log以上の削減率を示したが、処理水中には105 copies/mLオーダーで残存したことから、PEF印加消毒においてARGsはARBよりも不活化されにくいことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、インパルス電界(PEF)印加技術が薬剤耐性菌(ARB)だけでなく耐性遺伝子(ARGs)にまで不活化効果を示すことを明らかにした。ARBおよびARGsの水環境への主要な汚染源は、下水処理場であるといわれており、これまでにも塩素、UV、オゾン等の消毒法による不活化効果を検証した報告がある。それらの消毒法と比較しても、PEF印加消毒はARBについては遜色ない、ARGsについてはより高い削減効果を示すことがわかった。このことから、本研究における成果は、水環境におけるARBおよびARGsによる汚染拡大を抑制できる新たな消毒技術になる可能性があり、社会的意義も高いものと思われる。
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