研究課題/領域番号 |
19K04676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
樋口 能士 立命館大学, 理工学部, 教授 (60288628)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 生物脱臭装置 / トルエン / 体外分泌物 / 液膜 / 糖 / タンパク質 / バイオサーファクタント / トルエンガス / 生物由来界面活性物質 / 従属栄養培養 / 分子量分画 / ガス吸収 / バイオフィルム界面 / 細胞外高分子 / 揮発性有機化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
大気環境の自然浄化技術の飛躍的発展を目的に、ガス状物質が微生物の基質として取込まれるまでの物質移動過程に着目した詳細な観察・検討を行う。本研究は、ガス状基質を積極的に取込むために、微生物相表面を覆っている液膜に対して微生物が何らかの能動的な界面性状の改変を行っている、との仮説の下に実施する。想定している機構は、「界面の物性変化に伴う物質移動抵抗の低下」と「特異的なガス状物質取込み機構の界面での発達」の2つに大別されるが、微生物が体外に分泌する物質によるそうした効果の有無を、分泌物質の精製と、それを既知濃度で微生物界面に付与したVOC(揮発性有機化合物)ガス吸収実験により検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、揮発性有機化合物(VOC)を生物処理することを想定し、微生物により生じる体外分泌物がトルエンガス除去能力に与える影響を観察した。 体外分泌物のタンパク質の内特定の分子量分画が液膜中に存在することで、高いトルエンガス除去速度が得られた。 研究の過程で、トルエン分解菌単離株のトルエンガス資化能力が著しく低下したため、有機培地で培養したトルエン分解混合菌で実験を継続した。その結果、液膜中での体外分泌物の糖・タンパク質濃度にトルエンガス除去速度に対する至適濃度範囲が存在する状況、また、トルエン分解菌以外に由来するバイオサーファクタントの存在でもトルエンガス除去速度が向上する状況が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガス状揮発性有機化合物(VOC)の生物処理は、持続可能なガス処理方法の1つとされる一方、処理速度が緩慢で長期安定運転が困難な点などの解決が求められている。本研究では、実際の生物処理装置で気相と微生物相の間に存在する液膜中の微生物由来体外分泌物がVOCガス除去に及ぼす影響を観察しているが、その傾向を理解して液膜中の体外分泌物組成を最適化することで、とりわけトルエンのような溶解性の低いガス状物質の除去速度を安定的に向上させることを目指している。また、体外分泌物を利用した微生物による微量ガス成分の能動的摂取という機構の発見は、微生物生態学における重要な知見となると考えられる。
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