研究課題/領域番号 |
19K04678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
篠崎 由紀子 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60727113)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | メタロフォア / シデロフォア / めっき液 / ニッケル / めっき廃液 / 亜鉛 / めっき排水 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでの研究で、排水等からの金属回収に細菌の生産物を利用できないかと考え、有用な細菌の探索を行ってきた。その結果、水溶液中のニッケルイオンの回収に利用できる菌株の単離に成功した。取得した菌株の生産物が示す特徴は既知のものとは一致せず、新規化合物である可能性が高い。本研究ではこの生産物について、①構造決定、②生合成遺伝子の解析と大量生産法の開発、③固定化担体を作製し、無電解ニッケルめっき排水・廃液からのニッケル回収について検討を行う。
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研究成果の概要 |
当研究室では、これまでに取得した細菌由来のキレート物質(メタロフォア)が、めっき廃液中のニッケルイオンの回収に利用できることを見出している。この物質の特徴は既知のものとは一致せず、新規化合物である可能性が高い。本研究ではこのメタロフォアについて、(1)高生産条件の検討、(2)精製と構造解析、(3)固相抽出と組み合わせたニッケル回収の条件検討を行った。(1)の結果、メタロフォアの生産量を当初の3倍に増やすことができた。(2)の結果、構造中に環状化オルニチン、アルギニン等を含むペプチドであることが示唆された。(3)では、実際のめっき廃液から、ニッケルイオンを回収できることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本国内におけるニッケル等のレアメタルの安定供給を確保するため、そのリサイクル法の開発は重要である。本研究では、細菌由来のキレート物質(メタロフォア)を用いて、めっき廃液中のニッケルイオンの回収を検討した。現状ではメタロフォア生産のコストがニッケルの価格に見合わないという問題はあるが、原理的には可能であると示すことができた。また、このメタロフォアの特徴は既知の化合物とは一致せず、新規化合物の可能性があり学術的にも興味深い。その構造について調べることは、メタロフォアの金属選択性と構造との関係を知るための一助となることが期待できる。
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