研究課題/領域番号 |
19K04680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
三浦 尚之 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (70770014)
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研究分担者 |
越後 信哉 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70359777)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 水道水源 / 表流水 / 胃腸炎 / ノロウイルス / ロタウイルス / トウガラシ微斑ウイルス / カルバマゼピン / スルファメトキサゾール / 懸濁物質 / ウイルス / 溶存有機物 / 残留医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
全国の浄水場原水を対象とした2年間の調査を行い,河川や湖沼の水中でウイルスが吸着している細菌や粘土粒子等の懸濁物質,及びウイルスと類似した挙動をとる有機物や医薬品類を明らかにする。さらにウイルス,細菌,粘土粒子,医薬品等を用いて,調査で明らかにした結果を検証する室内実験を行う。以上の調査研究結果に基づき,水環境でのウイルスの汚染状況や挙動を評価できる指標を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では,水道原水(表流水)に含まれるウイルスの存在形態を明らかにし,ウイルスの検出状況と関連する医薬品を調査した。表流水試料を孔径10 μmおよび0.45 μmのメンブレンフィルターでろ過することで懸濁態と溶存態画分に分画し,それぞれの画分に含まれるウイルスをリアルタイムPCR法を用いて定量的に検出した。医薬品は,固相抽出により濃縮し,LC-MS/MS法により濃度を測定した。国内21カ所の浄水場の原水試料では,ロタウイルスAおよびトウガラシ微斑ウイルスは溶存態画分に多く存在し,その濃度はカルバマゼピンおよびスルファメトキサゾールの濃度と正に相関することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに表流水に含まれるウイルスは,その多くが細菌や粘土等の懸濁物質に吸着していると考えられてきたが,溶存態画分に多く含まれるウイルスも存在することがわかった。ヒトのふん便に高濃度で含まれるトウガラシ微斑ウイルスや小児における下痢症の原因として重要なロタウイルスはそれに該当し,水道原水における濃度は下水汚染を示す化学物質マーカーであるカルバマゼピンやスルファメトキサゾールの濃度と正に相関していた。これまでに水中の病原ウイルスと医薬品の濃度の相関を報告した研究はほとんどなく,化学物質マーカーがウイルス汚染の評価にも有用であることを示す重要な知見が得られた。
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