研究課題/領域番号 |
19K04693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
伊藤 是清 東海大学, 文理融合学部, 教授 (50380663)
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研究分担者 |
小山 智幸 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (50215430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | フライアッシュ / 石炭灰 / コンクリート / 混和材 / スラリー / 流動性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主に石炭火力発電所から発生する産業副産物であるフライアッシュ(石炭灰)に新たな付加価値を付け、資源の有効利用と環境負荷低減への寄与の観点から、フライアッシュのコンクリート用混和材としての高度利用を目指すものである。 これまでの研究から、フライアッシュを水と混合し、一定期間撹拌することで、このような前処理を行ったフライアッシュを混合したコンクリートの流動性が向上する現象に着目した。本研究は、そのメカニズムを明らかにし、現象を定量的に一般化することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は,フライアッシュおよびフライアッシュ以外の無機粉体として石灰石微粉末を用いてスラリーを作成し,昨年度に引き続きスラリーの撹拌に伴う各種物性の変化とペーストフローとの関係について検討した。 1.スラリーからの遠心分離による脱水量の経時変化:フライアッシュを使用した場合,これまでと同様に,スラリーからの脱水量はスラリーの撹拌時間が長いものほど多くなり,また,スラリーをペーストに混合した場合のフロー値もスラリーの撹拌時間が長いほど増加した。一方,石灰石微粉末を用いた場合では,スラリーの撹拌による脱水量およびペーストフローの増加は認められなかった。これらの結果より,スラリー化によるコンクリートの流動性向上効果はスラリーに用いる粉体の種類で異なることが分かり,また,スラリーからの脱水量は流動性向上効果の指標となることがより明確になった。 2.フライアッシュの粒度分布の経時変化:粉体の種類(フライアッシュ,石灰石微粉末)にかかわらず,スラリーの撹拌に伴い粗大側の粒子が減少し,小径側の粒子が増加した。 3.フライアッシュ粒子表面の電気化学的変化および液相の化学的変化:スラリーのゼータ電位はスラリーの撹拌に伴い変化はしているものの,撹拌時間やペーストフローとの関係は明確ではなかった。スラリーの電気伝導度は,フライアッシュのスラリーでは,撹拌日数0日(5分間水と撹拌したもの)の電気伝導度が大きいものほど,撹拌に伴う電気伝導度の変化が大きくなる傾向が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症の影響により,予定していた実験を十分に行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,これまでの実験で使用した副産粉体のスラリー試料を用い,スラリーの撹拌が粒子表面の物理的変化に及ぼす影響(電子顕微鏡による粒子形状の観察・分析等)を中心に検討し,副産粉体のスラリー化に伴うコンクリートの流動性向上効果のメカニズムに関する仮説を検証する。
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