研究課題/領域番号 |
19K04695
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
|
研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
佐藤 幸恵 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 准教授 (70408714)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 構造体コンクリート / 強度発現 / 温度履歴 / 高温履歴 / 水和生成物 / セメント硬化体 / 履歴温度 / 水和反応 / 空隙構造 / セメント水和物 / ビッカース硬さ / 粉末X線回折 / リートベルト解析 / 圧縮強度 / 耐久性 / 水分移動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、コンクリート部材の生涯性能評価を目的として、打込み時から建築部材の供用期間中に生じる外力を想定して模擬供試体に与え、その水和物特性や水和物生成条件による力学特性への影響を実験的に検討することにより建築物の目標とする供用期間中の性能保持状況,あるいは想定を超えて使用する場合に必要とされる余力を評価することを目的とする。対象建築物は主に、打込み時に温度履歴を受けるような大型部材や供用期間中に温度履歴の影響を受ける原子力発電所等の重要構造物を想定し、劣化外力の主要指標を温度条件とした場合の検討を行い、コンクリート部材の限界性能の経時変化を補足しようとするものである。
|
研究成果の概要 |
コンクリート構造物の生涯性能を評価するため、特に、材齢初期に生じる高温履歴を対象として強度発現および水和生成物の生成量、物理的性質について検討を行った。その結果,高温履歴を受けると水和生成物量は増加するが、C/S比の大きいCSH(II)が生成しやすくなること、また、CSHのビッカース硬度はCHに対して低いため、総じて圧縮強度の増進要因とはならないことを見出した。また、高強度コンクリートを対象とした構造体強度発現を機械学習モデルにより分析し、最高温度の影響を評価したところ、材齢28日までの高温履歴は強度増進の要因となり得るが、それ以降の材齢では強度低下の要因となり得ることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、実施工現場において異なる季節環境で施工され硬化するコンクリート部材が温度履歴を受けた際の品質変化メカニズムを明らかにすることができた。これをもとに、より精緻な性能予測モデルを作成することが可能と考えられ、近年多様化する使用材料や調合設計についてより省力化した合理的な設計手法を提案できると考えられる。学術的には、既往の文献で示された高温履歴時の空隙構造の変化が強度発現に影響するとの知見に対してより詳細にそのメカニズムを示すことができた。
|