研究課題/領域番号 |
19K04716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
千葉 隆弘 北海道科学大学, 工学部, 教授 (40423983)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 陸屋根建築物 / 雪庇 / 冬期の人身事故 / 北海道 / 陸屋根 / 風速 / 風洞実験 / 屋外観測 / 吹雪風洞実験 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,北海道における屋根の雪下ろしによる事故ゼロを目指しており,雪下ろしの動機となる雪庇の形成メカニズムを明らかにし,数値シミュレーションによって再現することにより,雪庇推定手法の確立を目的としたものである。吹雪風洞実験で雪庇の形成メカニズムを詳しく検討するとともに,小型UAVを用いた雪庇の屋外観測により雪庇形成要因の基礎資料蓄積をはかる。次に,実験で得られた雪庇形成メカニズムを数値シミュレーションに適用し,屋外観測結果の再現性について検討する。このような流れで構築された数値シミュレーションに基づく雪庇の推定を行い,雪下ろしによる事故リスクを把握するとともに,効果的な対策工法を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、北海道における屋根雪に起因する人身事故ゼロを目指した屋根雪対策を検討することを目的に、雪下ろしの動機となっている建築物軒先における雪庇の形成メカニズムを明らかにするための吹雪風洞実験および屋外観測を行った。吹雪風洞実験では、雪庇の再現実験を行い、雪庇の風速依存性を明らかにし、軒部の風速から軒部の積雪率を推定する経験式を導出した。屋外観測では、2階建ておよび3階建て建築物を対象に空撮画像を撮影して屋根上積雪深の写真測量を行った。その結果、風速が小さいほど雪庇が形成されることを確認した。吹雪風洞実験と屋外観測の結果を用いて気象データから屋根上積雪深を推定する手法を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、雪庇形成の風速依存性を明らかにし、気象データを用いて屋根上積雪深を推定して雪庇の形成箇所を明らかにすることを可能にしたことである。これは、雪庇の危険性を明確にし、危険な雪庇のみを処理することで雪下ろしによる事故を低減することが可能となる。また、市街地では屋根面の気流が乱れ、冬期主風向の風下側に雪庇が形成されるとは限らないが、本研究で得られた成果によって雪庇の形成箇所を適正に予測することが可能になり、雪庇の危険性を適正に評価することが可能になる。以上のことから、本研究の成果は、北海道における安心・安全な冬期の生活に資するものであり、社会的意義は大きいものであると考える。
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