研究課題/領域番号 |
19K04730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
萩島 理 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60294980)
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研究分担者 |
池谷 直樹 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (70628213)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 伝統建築 / 断熱改修 / 暖房負荷 / 大気汚染 / 省エネルギー / 寒冷気候 / 都市のinformal settlement / 寒冷地居住 |
研究開始時の研究の概要 |
外気温が冬は-40℃を下回るモンゴルの首都ウランバートルは、現在、世界最悪の大気汚染に悩まされている。この主要因は、急激な人口増加で無計画にスプロールしたゲル地区に集積するゲルで使われている石炭ストーブの排ガスである。これに対し本課題はゲルの室内熱環境改善と大気汚染物質排出量削減を目標とする。具体的には、居住者の生活する条件でのゲルの室内熱環境実測、ゲルの高断熱高気密化のための手法開発、ゲル改良及び石炭ストーブを寒冷地向けヒートポンプへ転換した場合の室内熱環境、エネルギー/電力消費量及び大気環境へのインパクトの定量化を行い、社会実装へのロードマップを示す。
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研究成果の概要 |
ウランバートル市のゲル地区におけるゲルで使われる石炭ストーブによる大気汚染物質排出の削減と室内の熱環境改善を目指し、現地で実現可能なゲルの断熱改修手法の開発を行った。具体的には、テント用防水性布でシート状断熱材を被覆した断熱パネルをマジックテープで相互に接着し、ゲルの壁及び屋根部分に室内側から固定する手法を開発した。また、ドア開放時の換気熱損失低減のための組み立て式の風除室の設計を行った。更に、現地において、開発した断熱改修手法一式の実証テストを行った。加えて、断熱改修前後のゲルの室内熱環境の実測を行い、その特性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
石炭暖房の排ガス削減の解決策として、1) ゲルから地域暖房が完備した集合住宅への移住、2)電気暖房への置換、3)ゲル外皮の断熱気密性改善、などが定石であろう。しかし、現地の経済状況でこれを実現するのは容易ではない。これに対し本研究は現地調査に基づき世界的にもユニークな移動住居の実態及び室内熱環境の特性を明らかにすると共に、affordableな断熱改修手法を提案したものである。日本ではSDGsと言えば地球温暖化や脱炭素が注目されるが、世界人口の7割を占める開発途上地域の住環境の改善もまた重要な課題であり、本研究はSDGs 目標11「住み続けられるまちづくりを」に貢献しようという取り組みである。
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