研究課題/領域番号 |
19K04756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
鳥海 基樹 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (20343395)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 欧州評議会 / 欧州委員会 / ヨーロッパ・ノストラ / マルセイユ / ユーロメディテラネ構想 / 都市計画の文化化 / 雇用改善 / 観光開発 / 地方創生 / 広域連携 / 社会的包摂 / プロジェクト都市計画 / 広域共同体 / 欧州文化首都 / フリッシュ・ラ・ベル・ドゥ・メ / ワインスケープ / スマート・スプロール / ヴァレンシア / リヴァプール / ユーロメディテラネ / 都市再生 / 文化政策 |
研究開始時の研究の概要 |
政治主導とは言われるが、都市計画は実態としては専門組織が準決定案を作成している。であればこそ、立案組織というブラック・ボックスの解明は学術的有用性を持つ。そこで研究の基本的視座として「立案機関の位置付けと協働方策」「国家の役割の再考」「半官半民組織の機能と権限」を設定し、それらを日本の都市計画に対して意義深い「都市圏協働」「国の大都市督励」「広域的郊外開発」「弱小自治体支援」の視点から選択した都市に重ね合わせて分析する。それにより、短期的には立案組織の構造や構成の究明、中期的には我国の包括的プランニングの制度設計、そして長期的には都市計画法制や文化財保護政策の改善に結実することとなろう。
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研究実績の概要 |
Covid-19で現地調査が困難であるため、前年度に確立された「享楽の広域協働」との視座に立って、欧州尺度での緩やかなフレーム形成や執行局面での多様なプログラム展開を文献をベースに考察した。それらは文化財保護システムの構築の遅れた国々を支援し、衰退地域の再生に貢献し、社会的包摂を目指す。 EU加盟国が27であるに対し欧州評議会には46カ国が加入する。そこで制定された協定や憲章の流れを造ったり根付かせたりするのがキャンペーンやイヴェントで、本年度は欧州文化遺産の道と欧州文化遺産の日を考察した。前者の好例は巨石文化の道(2013)で、新石器時代には国家の概念などないのだから、現在の国境を無化したルートこそが物理的にも時間的にも遺産をつなぐ。後者は毎年9月の第3週末に開催される文化財建造物の公開イヴェントで、1991年から欧州評議会の公式イヴェントとなり、現在は非加盟国を含め50カ国が参加する。ヴァカンス・シーズンの最後での経済波及効果も大きい。 欧州委員会の施策としては、欧州文化首都を扱った。乗数効果も大きいことから、1990年の英国のグラスゴー以降、衰退都市での開催が通例化している。2013年のマルセイユは前年度にも論じた。 最後に、欧州各国には文化に関わる非営利社団が多数存在し、中には欧州尺度で活躍するものもある。それらの先進的取り組みが政策に環流されたり、行政組織では目の行き届かない分野をカヴァーしたりもする。本年度はヨーロッパ・ノストラを考察した。同社団は1963年にパリで設立された。個別的な事案対処ではなく各国・各地域の団体の交流機関で、それらの構成員を総計すると500万人に上ると言う。世論形成やロビー活動などを展開し、欧州のみならずユネスコの公式パートナーともなっている。ヨーロッパ・ノストラ賞は、顕彰のみならず、受賞団体の資金獲得と遺産保護の推進や拡張に貢献している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19のため渡仏ができず、現地調査が進んでいない
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今後の研究の推進方策 |
渡仏調査を実施し、まずは全体論を再考察したい。
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