研究課題/領域番号 |
19K04783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
亀屋 惠三子 豊田工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (70462140)
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研究分担者 |
松田 雄二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70516210)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 救護施設 / 行動調査 / 生活環境 / 利用者 / 行動 / 過ごし方 / 作業活動 / 緊急事態宣言下 / 地域移行 / 空間構成 / 建築計画 / 環境ケアモデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、今後拡大が予想される福祉施設の利用者の多様化という課題に対し、混合処遇を実践している救護施設を対象に、ケア環境の面から問題点と解決策を明示するものである。 具体的には障害等級や要介護度などの従来の尺度ではなく、利用者に応じた『現場の見守り度』を生活場面観察より可視化し、ケアと空間の適切な配置や使われ方などの環境要素を提示するものである。
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研究実績の概要 |
2023年9月に救護施設の分棟型であるSW施設に対して行動調査を行った。SW施設は、利用者51名のうち、同意が取れた利用者30名に対して調査を実施した。施設方針とエレベーターがないことから、身体的自立度の高い男性のみの受け入れとなっており、作業も一部実施している。調査方法は、目視による観察が不可能であったことから、非接触型の調査でB-conという発信機を携帯してもらう方法で9:00-17:00までの間、滞在場所を1分おきに計測した。 調査結果は下記の通りである。 1)最も滞在割合が高かったのは「居室」で51%、次いで娯楽室の12%(南館 娯楽室・作業室の合算)、作業棟が9%(独立した作業棟)という結果となった。 2)時間帯別の分析では、居室への滞在は10時にピークを迎え、昼食時に一旦下がり、14時以降に再び滞在率が高くなることがわかった。13時以降、15時までが利用者の自由度が高い時間帯となり、居室への滞在率も下降する時間帯となる。行為が緩慢だった午前中に比べて、午後は主体的に滞在場所を選択できていることが窺える結果となった。 3)年齢別の分析では、60歳以下は居室での滞在割合が高く、71歳以上は共用部での滞在率が高い傾向が明確にみられた(有意差1%)。71歳以上は共用部と生理・整容部の滞在が高く、反対に外部への外出傾向が低い。なお、障害の有無による滞在場所に変化はみられなかった。 4)入居期間が短いほど居室への滞在率が長い傾向がみられた。4年以上経過すると、居室とそれ以外の空間の滞在場所が半分ずつとなって、滞在場所を使い分けている傾向がみられた。 5)職員の行動場所に関しては、総滞在割合に変化はみられなかったものの、時間帯別の分析では、職員1は1時間単位で2-3箇所の滞在となったが、職員2は4-5箇所の移動がみられており、時間の使い方に差がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの対応が落ち着いたため、ようやく行動調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を総合的に分析を行い、研究成果を日本建築学会の論文集にまとめる。また、これまでの一連の成果を報告書にまとめ、全国の救護施設に配布する予定である。
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