研究課題/領域番号 |
19K04805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
藤田 盟児 奈良女子大学, 工学系, 教授 (20249973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 武家屋敷 / 会所 / 主殿 / 広間 / 御成 / 武家住宅 / 遺構 / 室町殿 / 北山殿 / 東山殿 / 烏丸殿 / 座敷 / 行幸 / 中世 / 近世 / 書院造 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の中世から近世にかけての上層住宅は、中世段階で住宅建築の発展の中心であった会所が、近世になると消滅することに代表される不連続性があり、文化史との関連性などにも問題を抱えていた。ところが最近の研究で、中世の会所が近世の広間と御成の際に同じ役割を担っていたことが明らかになり、会所と広間を中心とする上層武家住宅に連続性があることが予想されるようになった。そこで文献史料や絵画史料に加えて安土桃山時代の発掘遺構を総合的に検討し、上層武家住宅の変遷過程と会所や広間、それらと関係ある主殿の相互関係を明らかにして、中世から近世にかけての住宅様式の発展経過を明らかにすることが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
中世の武家住宅における御成の機能配置を検討して、室町時代中期に会所で行われていた式三献、遊宴、演能、後遊、引出物が、室町時代末期に主殿の機能となり、安土桃山時代には広間の機能、江戸時代には数寄屋と広間に分担されたことを明らかにした。 また、足利義政が康正元年(1455)に改装した烏丸殿で、初めて会所の背後に常御所が雁行形に配置されることも明らかにした。 ついで戦護国時代の大名邸宅を遺構から確認し、室町時代の将軍邸で15世紀中期に発生した会所と常御所の機能と配置が、織豊期に主殿と常御所、広間と書院の機能と配置に変化することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世住宅の会所は長い研究史があるが、中近世移行期における会所の変遷と近世における消滅の理由は不明であった。これを本研究では、中世から近世にかけて主殿という建物の質的・機能的な変化があったことを明らかにして、それが近世になって主殿や広間が書院へ変化し、玄関機能の象徴であった中門が消滅して、平井聖のいう一列型平面形式の書院へと変化する理由が判明した。これによって中世と近世の日本の上層住宅史が連続することが示され、書院造という建築様式の生成プロセスが明らかになった。
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