研究課題/領域番号 |
19K04806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
金 貞均 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10301318)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 在来民家 / 近代民家 / 伝統民家 / 麗水在来民家構法 / 近代日本住宅構法 / 近代麗水民家の構法 / 近代日本住宅の構法 / 麗水在来民家の構法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、韓国麗水地域の在来民家について近代期日本住宅の影響の側面から究明しようとする研究の一環として行うものである。先行研究により、麗水地域の近代民家の成立と実態について明らかにし、開放的板の間の閉鎖化や縁空間の拡大、近代建築材の導入、柱や間幅の変化などから日本との関係、つまり海洋文化圏の検証につなげる知見を得た。これらの成果を踏まえて本研究では、①麗水地域の近代民家の成立と実態について架構構成と寸法、部材断面寸法等を明らかにし、②近代以前民家からの時期別変化を究明したうえ、③日本の近代木造住宅技術の分析尺度を用いて、麗水在来民家建築の技術的変化における日本の影響について総体的に解明する。
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研究成果の概要 |
韓国民家研究において近代期民家の研究はまだ十分ではない。本研究では在来民家が比較的多く残っている麗水地域を対象に、建立時期別建築技術変化の様相を明らかにした。具体的には、架構の構成と寸法が時期別にどう変化してきたかを考察した。そして分析結果、1910年以前から1960年代までの時期の区分は、架構の構成と寸法の変遷から4時期ではなく3時期に区分できた。本研究は時期区分をせず通称民家としてきた民家群に対して、架構技術の変化によって時期を細分したことに意味がある。そして近代期建築技術の日韓比較から在来民家の柱のスリム化(12㎝)が日本の木材規格化の影響であることが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近代期を中心にする韓国の在来民家が時期的にどのような変化様相を見せるのかまだ学術的に十分に究明されていない中で本研究の結果、伝統民家と近代期民家の境界または近代期民家の成立に寄与する端緒を提供し、日本の近代期木造建築技術が特に柱のスリム化、規格化に与えた影響を確認することができた。 最終的に本研究の成果は、異文化間の衝突と融合・受容を通した住居様式の持続と変容の実態解明につながり、住居の本質と民族・地域差による違いをより深く認識し、比較居住文化論としての展開が期待できる。
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