研究課題/領域番号 |
19K04815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
米澤 貴紀 名城大学, 理工学部, 助教 (40465464)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 修験道 / 修験道建築 / 神仏習合 / 儀礼の場 / 山岳信仰 / 修験者集団 / 儀礼・行法 / 奥行 / 社殿 / 宗教建築 / 近世社寺緊急調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本独自の信仰である修験道が生み出した「修験道建築」の特質を探り、1)各霊山における分布と現在の状況、2)建物の外観及び間取り・空間構成、3)建物内での儀礼の場の構築のされ方、の3点を明らかにし、その特質を示すことを目的とする。研究は、建築史分野で蓄積されてきた成果と、応募者が取り組んでいる儀礼の場と建築の関係の研究成果を用いた分析により行う。この点が本研究の独自性であり、また修験道建築という種別の確立とそれに基づく価値基準の創出という創造性を持つ。研究は、初年度に遺構の把握と調査、2、3年目には調査と儀礼と建物の関係の検討を行い、上記目的を達成する。
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研究成果の概要 |
本研究では、修験道建築について1)各霊山における分布と現在の状況、2)建物の外観及び間取り・空間構成、3)建物内での儀礼の場の構築のされ方、を明らかにし、修験道が生み出した建築・空間の特質を示すことである。 本研究は現地調査と史料調査によって進めた。現地では建物の記録・検討を行い、史料からは失われた建物、行法の内容・次第に関する記述を抽出、分析した。そして、修験道建築の残存数・認知数は多くないことを明らかにし、修験道建築の特徴として、建物・空間は奥行を持つ平面となる、祭壇は最奥に周りを閉鎖的に造り出入口は空間の前方に設ける、空間のヒエラルキーは奥が高く手前に向かって低くなることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の持つ学術的な意義は、これまで神・仏の二分で語られてきた日本の宗教建築研究に新たな視点を提示すること、また宗教学や史学において教義、機構などの理論面での研究が先行している修験道研究において、実態として存在する建築を扱い、その物的・空間的な表出を示すことで信仰の全体像を把握できるようにする意義も持つ。 そして、本研究の成果は、各地の霊山に根ざした信仰文化があったことを「もの」として示しており、直感的に分かりやすく近世以前の日本の信仰文化の多様性、地域ごとの信仰を理解する手がかりとなる。この点で、地域文化の理解や学習、観光等にも寄与する社会的意義を持つ。
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