研究課題/領域番号 |
19K04818
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
永井 康雄 山形大学, 工学部, 教授 (30207972)
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研究分担者 |
池上 重康 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30232169)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 近代日本 / 和風建築 / 工匠 / 雛形書 / 大工技術 / 舶載パターンブック / 岩城庄之丈 / 日本博 / 日本近代 / 木割 / 伝統建築 / 近代化 / コンクリート造寺院 / 久保田家 / 岩城家 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、日本における建築の近代化は西洋の技術・意匠の導入と修得という観点から論じられることが多かったが、本研究ではそれとは異なる側面について、江戸期に公刊された雛形書と明治以降に出版された雛形書の内容を多角的に比較検討することにより、近世の建築技術が近代においてどの様に継承・発展したのかを明らかにする。また、工匠家に伝えられた新出史料の分析、さらには遺構調査を通して、近世及び近代の雛形書がどの様に実際の建築に反映されていったのかを実証的に解明する。伝統的技術を有する技術者が日本の近代化の一側面をどの様にして支えたのかを解明することによって、真に我国の近代化を理解することに繋がると考えられる。
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研究成果の概要 |
近世以来の伝統的建築技術が明治以降にどの様に継承され、展開したのかに着目し、従来の西洋化とは異なる観点から我が国建築の近代化を多角的に捉え直した。近代建築教育については、高等教育機関で行われた講義科目や教員が執筆した教科書の内容を検討し、伝統建築技術の継承について考察した。また、在野の工匠家に伝来した資料の目録を作成し、資料内容を解読・分析した。遺構については、近代和風旅館の室内意匠を近世座敷雛形と比較し、近世の図柄を複数組み合わせて再構築していることなどを明らかにした。近代の特徴であるRC造については、函館市と山形市で現地調査を行い、RC造寺院建築の地方への普及過程について検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2020年12月10日から2021年2月21日にかけて東京国立博物館表慶館・国立科学博物館・国立近現代建築資料館の3館で日本博「日本のたてもの 自然素材を活かす伝統の技と知恵」が開催された。特に国立近現代建築資料館の「工匠と近代化 大工技術の継承と展開」では池上と永井は企画段階から参画し、展示物 の選定・解説を通して本研究の主題ともいえる成果を公開した。その成果は『[図録]工匠と近代化 大工技術の継承と展開』(文化庁、2020.12.10)と『[増訂版] 日本のたてもの 自然素材を活かす伝統の技と知恵』(青幻社、2021.2.5)として出版された。
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