研究課題/領域番号 |
19K04822
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
千代 章一郎 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (30303853)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 装飾(デコール) / オーギュスト・ペレ / ル・コルビュジエ / シャルロット・ペリアン / 肉 / 装備 / 身振り / UAM(近代建築家同盟) / フォルム・ユティール / 装飾 / 装飾芸術 / 芸術 / 工業 / 手工業 / デコール / フランス近代住宅 / 近代建築史 |
研究開始時の研究の概要 |
建築作品における「デコール(装飾)」の近代性という主題について、フランス近代住宅に焦点を絞って、その論理構造を明らかにする。 まず一方では、フランス近代の代表的な建築家ル・コルビュジエの住宅作品に最も影響を与えたオーギュスト・ペレに遡り、「デコール」の歴史的変容を明らかにする。そしてまた一方で、は、ル・コルビュジエから影響を受けたシャルロット・ペリアンやUAM(近代建築家同盟)の建築家たちから「デコール」の同時代的展開を明らかにする。 以上により、20世紀の革新的な近代建築とのあいだのシームレスな連続性を解明し、新しい建築史を描く。
|
研究成果の概要 |
建築作品における「装飾(デコール)」の近代性という主題について、その変容を叙述した。結節点となるのはル・コルビュジエであ るが、「デコール」の史的展開はル・コルビュジエに最も影響を与えたオーギュスト・ペレに遡ることができ、ル・コルビュジエを経由して、シャル ロット・ペリアンらにおいて建築/装飾の二元論を解体するような理念として引き継がれていく。そこに通底する主題は、ペレにおける「肉」、ル・コルビュジ エにおける「装備」、ペリアンにおける「身振り」として表現される身体性の問題である。その意味で、20世紀における「デコール」は、ウィトルウィウス的な 建築論の伝統を引き継いでいるとも言える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近代建築史学では論じられていなかった「デコール」の史的展開を明らかにした本研究成果は、これまでにない独創的なものであり、近代建築史のブレークスルーとなる学術的発展が見込まれる。さらに、近代における「デコール」の一端を明らかにすることは、近代建築遺産の難題の一つ、とりわけ近代住宅において不可欠でありながら保存の対象外とされてきた家具の保存という難題にも、筆者独自の解決の糸口を提供することができる。
|